ヨーグルトがダイエットに良い(※個人の感想です)

 私は困った程に神経質である。


 夜寝ている時も、外のささいな物音で起きてしまう。

 なんなら夏場、自動設定の温度以上になったのでクーラーが突然に息を吐き出す音で目覚めてしまうこともある。

 だから、アンデッドやヴァンパイアではないが朝日などはもってのほかだ。

 遮光・遮音・遮熱のカーテンを付けていても、漏れ出ずる朝日で目を醒ましてしまうこともある。

 それが、仕事前の目覚ましアラームより、少し前だともうウンザリだ。

 ベッドに入ったまま二度寝が出来るでもなく、ただ悶々と時間を潰すだけの儀式の始まりなのだ。


 他にも、寝入りばなに地震があったとしよう。

 たとえ小さな地震でもすぐに起き上がり、スリッパを履き、扉を開けて避難路を確保する。

 それがもう少し大きな地震ならば、

「あぁ、これがP波で、これから本震のS波が来るからもう死ぬんだ……」

 と、静かに自殺を始める勢いだ。

 余談だが、小動物は大型肉食獣に襲われた時、痛みで苦しまないために自殺ホルモンを出すと、どこかで見聞きしたような気がするが本当なのだろうか?

 地震に揺れる私はまさに、自殺ホルモンを出す小動物の心持ちだ。



 そもそも、いくらか年齢を重ねて『眠る』という作業がしんどくなってきた。

 若い頃はそりゃもう、無限に十数時間でも寝られた。

 それが、今はどうですかね?

 目覚ましの前に起きてしまい、そのまま起床時間を迎え、どこか寝不足ぎみで仕事に行く日が増えた。

 仕方ないから、昨日の遅れを取り戻そうと、今日は少し早く寝る。

 そうやって、少しずつ前倒しにズレていく。

 結果として、おじいさんおばあさんのように、早寝になってしまうのだろう。



 そんなある日、テレビCMで某飲料の宣伝を見た。

 睡眠の質を得るために、菌活――どんな方法を試しても良眠を得られない私は訝し気に観ていたが、わずかな可能性もあるならば、すがる手はない。

 それに私の妹はヤクルト菌を飲み始めてから花粉症が軽減したと、嬉しそうに家族やSNSに事あるごとに騒ぐ。

 私は花粉症ではないが、それほどの効果ならと、乳酸菌・ビフィズス菌などの菌活を始めた。


 全く信用して無かったものの、それが今はどうでしょうか?

 睡眠時間が長くなった訳では無い。これは年齢のせいもある。

 ただし、いわゆる良眠となった。

 今までと同じしか眠れなくても、身体はしっかり休めている。


 加えて、今は付加価値として「内臓脂肪が減る」「尿酸値が減る」「肌がきれいになる」「記憶もよくなる」「ついでに喉や鼻の不快感も減る」等の効果を謳った商品が出回っている。

 どうせ睡眠のためなら、こういう効果も追加で投与できるなら儲けものだ。

 健康診断で異常はないが、予防的な効果を期待して摂取するのも良い。


 それに安定した腸内フローラのためには単一の菌だけでなく、複数の菌をバランス良く摂るべし、と聞いた。

 予防的付加価値もあって、あらゆる菌が摂れるなら試さない手はない。



 不足気味のカルシウムも摂取できて、ウエスト周りも体重もそこそこに改善した。

 睡眠を整えるつもりで腸を整えたら、身体も整った。

 ありがたい限りだ。


 それでも眠いものは眠いし、睡眠時間の確保という意味では何も変わらず、平日に執筆に使える時間は有限だ。

 せっかくの週末なのに、もうそろそろおねむの時間。これが困ったものだ。

 

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