第2話花言葉

キ〜ンコ〜ンカン〜コ〜ン

鐘の声の録音が流れ、授業が始まった。

小太りの教師が授業を進める。

『今日は花言葉について学習したいと思います。』

俺は『花言葉なんて使う場所ないのに』と思った。

教師が俺の方を向き、

『良い筆問です。花言葉とは花の特質などによって象徴的な意味を持たせた物の事です。』

教師が俺に笑いかける。

どうやら心の声が漏れていたようだ。俺の悪い所の一つだ。言い換えれば『正直者』や『嘘がつけない』と言えるので俺はポジティブに考えている。

『知っていて損はしませんよ』

と優しい口調で言う。

筆問の答えになっていないと思ったが、授業が進まないので適当に返事をした。

授業はスムーズに進み、ヒマワリやアサガオなどの有名な花の花言葉を教わり、自由学習の時間になった。自由学習とは授業内で気になった事を自由に調べる事の出来る時間の事だ。

調べたい事もなく、暇でスマホに目を向けた。

スマホで今日の朝のニュースが見れるようになっている事に気づき、音を無くしニュースを見た。

俺はこの失踪についてわからない事が多いと思い調べる事にした。

調べた事によって新しく知った事があった。

置き手紙と花がある事以外にも、

盗みが無い事や荒らされいない事。

宇宙人の仕業と言っている人がいる事。

俺はこの中で一番、花が気になった。

ちょうど、今は国語の花言葉。

スマホで花言葉と検索し、探す。

確か花の名前はウツボカズラだったな。

スマホの画面を下にスクロールし探す。

『花言葉はからみつく視線、甘い罠、油断、などなどって』

雑だな。と思ったが、まぁいいだろう。

『次は二人目のウシノシタクサだな』

ウツボカズラの花言葉が写っている画面をスクロールし、探す。

『花言葉はあなたが信じられない、真実、偽り、か』

マイナスな花言葉が多くないか?

まぐれの可能性もあるがわざとなら性格悪くないか?

この失踪が誘拐の可能性もあると、少し考え始めていた。

『三人目はチグリジアだな』

チグリジアの花言葉は知っていた。

覚えている限り、いい花言葉だけだったと思うが…一応、調べる。

『花言葉は鮮やかな場所、誇らしく思う、私を愛して、』

なんだ。マイナスは花言葉が多いのは、まぐれか。そう思った。しかし、後ろには

私を助けてと言う、花言葉がチグリジアにはあった。

俺の知らなかった花言葉が。

本当はあって欲しく無かった。

ここまで調べると最後まで気になってしまう。

『今日の四人目はアネモネだったな』

見つけ出し、花言葉をみた。

『儚い恋、薄れゆく希望、見捨てられたなど、か』

キ〜ンコ〜ンカン〜コ〜ン

授業の終了を示す鐘がなった。

知らぬ間に結構の時間がたっていたようだ。

花言葉の共通点を知った後の授業に手がつかなかった。

学校が終わり、家に帰った。明日もまた、悠と同じ様な会話をすると思いながら。


次の日、悠は失踪していた。


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花から分かる君の事 HYS @hiroenb

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