ねぇ、私のアバターになってくれない?                        

綾崎もつぐ

第1話 提案

 最近買ったゲームで遊んでいるとスマホが突然鳴った。どうやら相手は友人である桜木さくらぎなぎからであった。何用だ?と思いながら電話に出る。

「一ノ瀬、突然でごめんって言いたいんだけど今すぐ家に来てくれる?」

間髪なしで桜木が話しかけてくる。突然何?という暇もなく電話は切られてしまった。面倒くさいなと思いながらもここから桜木の家までは歩いて5分ぐらいなので行ってみることにした。桜木の家に行くまでに面白いことは特になかった。家についてインターホンを鳴らす。どうぞ~という声がして僕は家に入る。

「おじゃまします」

家に入っての第一声、テンプレではあるが相手方さくらぎの親がいるかどうかがわかる。返事が返ってきたりしないようなのでどうやらいないようだ。第一声を聞いて桜木がどたどたと慌ただしく階段を降りてきた。

「やっと来たね。突然で悪かったけど私の部屋に来てくれる?」

「いいよ、新作のゲームでも買ったの?」

大体桜木が呼ぶときはゲームをするか店に出かけるかでその二パターンしかない。そして最近桜木が欲しがっていたゲームが発売されたということなのでそれで呼んだのかなと聞いてみる。

「いや、違うんだよねそれが。ゲームはまた今度にしようか。今日君を呼び出したのは君にあることをしたかったからなんだ」

ちょっと待ってと言いたい展開、もしかして今春が来ているのかもしれない。だが知ってる、こういう時のという言葉は大抵恋とかではなく秘密をいう時に使うのだ。

「じゃあ行こうか」

そして部屋に向かう、途中桜木が一ノ瀬顔赤かったけどどうしたの?と話しかけてきた気がしたが気のせいという事にした。そして部屋に着く

「じゃあ話すね、実は私はももぎりっていうイラストレーターなんだ。えっと知ってる?」

一瞬何を言われたのかわからなかった、だってイラストレーターのももぎりと言ったらフォロワー20万のイラストレーター、推しのVtuberの雨漏あまもましろちゃんとかの立ち絵を担当してたよな。あとこないだアニメ化決定したラノベの表紙も描いていたな。

「嘘?」

「賭けてみる?」

どうやら本当のようだ。そういやこいつとももぎりさん誕生日同じだし嘘だっていう証拠がない。

「いや…遠慮しておくよ」

捕まる前に逃げる

「ふーんまぁいいか。じゃあさっそくだけど本題にるね。君はももぎりになってほしいの」

「え?」

思わず声が口から漏れた

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ねぇ、私のアバターになってくれない?                         綾崎もつぐ @nukonuko-nekone

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