第195話「朝蝿暮蚊」

政界が朝蝿暮蚊だから政情が好転しない。――「政治界」昭和六十三年二月号掲載。

この小説の、主人公の青年は一七歳の少年である。少年の、この世のありさまを見る目が痛切で、しかもそれを直視できないところに作者の筆の力があるように思う。それは、現代という時代に生きる人間の誰もが、多かれ少なかれ持つ悩みではないだろうか。

しかし、「ぼくたち戦争を知らない子供たち」に作者がこめた願いは何か? という疑問が残るだろう。これはおそらく「反=子供主義・反=平和主義」(あるいは反=反戦主義者)に対する警告であろうか。そうかも知れないし、そうでないかも知れない。ただ言えることは、その言葉は、今、この国と社会の現実に対してあまりにも無力だということだ。そしてそれが、この作品を単なる娯楽作品に終らせていない理由のひとつだと思うのだ。(文責/編集同人)

……これを読んだ僕の感想は、「こいつ、馬鹿じゃねえのか?」だった。だってそうだろ? 俺はこんなやつらと同じじゃないぞ! と大声で叫んでるんだから。僕も昔、高校生ぐらいの頃は、似たようなことを言って粋がっていたような気がするけどさ……。この手の小説を読むたびに感じることだけど、この主人公って、ホントにガキなんだよね。でも、そんなガキを相手にして大人たちがバカなことやってると、腹が立つんだよ。それで、自分だけは違うんだぜ! みたいな顔してさ、カッコつけてるわけよ。そういうの見るとイラっとくるね。俺も、もっとしっかりしないとダメだと反省させられるんだけど……いかんせん、こっちまで頭が悪すぎるんでね。どうにもならないっていうかさ。とにかく、こういう作品は読まないほうがいいと思うよ。

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