第173話「世間の人と交際せず、自分の家だけで成長した人は」

世間の人と交際せず、自分の家だけで成長した人は、思いのままにふるまって、自分の気持ちを第一として、人がどう思うかを考えず、他人の気持ちを推察しようとしない。このような人は必ずよくない。「他人は他人だ」と割り切って生きていけるなら、それはそれでいいと思う。でも世の中そう単純にもできていないし、そんな生き方では心が病むことも多いだろう。

それに、もし、自分と考え方が違う人と出くわした時、その違いを認めて尊重するだけの度量があれば、人間関係はうまくいくはずなのだ。しかし、多くの人が、「自分は自分だ」「他人とは違う」と思い込み、自分の考えを押し付けているのではないか。その結果、不協和音が生じ、衝突が起こるのだ。

私は、これからの人生を生きていく上で、自分と異なる価値観を持つ人たちと出会っていきたいと思っている。そして、違うからこそ生まれる喜びや悲しみを経験していきたいと願っている。もちろん、異なる価値観を持った人と出会った時に、相手を傷付けることなく、上手につき合っていきたいとも思っている。そのためには、相手の話をよく聞いて理解することが必要だし、自分のことをきちんと伝えることも大切だと思う。

例えば、ある人の書いた本を読んでいて、すごく共感できることもあれば、全く同意できないこともある。どちらが正しいとか間違っているという問題ではなく、同じ本を同じように読んでいても、感じ方は異なるということだ。

それなのに、お互いが自分の意見を主張するだけならば、そこには争いしか生まれないだろう。たとえ自分が正しいと思っていても、相手の立場に立って物事を考えることが大事で、そうすれば、お互いに納得できる答えが出てくるはずだ。

また、相手が何を考えているのか分からない時には、まず、相手の話を聞こう。言葉に隠された真意を読み取る努力をしてみよう。きっとそこに、新しい世界が見えてくるに違いない。

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