第122話「パーテスマキハカル」

「パーテスマキハカル。ほら今日も言ってごらん?パーテスマキハカル~」

「パーテスマキハカル……」

「表情がかたいね。笑って大きな声で。パーテスマキハカル!はい!」

「パーテスマキハカルッ」

「まだだよもっと!」

「……パーテスマキハカル!」

「いいね!」

これどこから聞いたんですかと聞いても答えてくれない。会うたびにこれをやらされる。

「うんうん。いい笑顔だね。じゃあ次は……」

こうしてまた次の日を迎えることになる。そしてその翌日もまた、その翌日も同じことを繰り返す。

「パーテスマキハカル!」

「パーテスマキハカル!」

「うん。いいね。じゃあ次は……」

そんな日々をもう2ヶ月以上続けている。ただの苦痛でしかない。

「じゃあ最後に……」

「……はい?」

「最後だからって気を抜いてはいけないよ?これは大切なことだからね。じゃあいくよ」

「パーテスマキハカルッ!!」

「うん。完璧だね。じゃあこれで終わりにしよう。お疲れ様」

やっと終わった……こんなことをあと何回繰り返すんだろう……。

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