第14話「惡龍」

ある村のシャーマンが神がかった状態になり、今夏に惡龍が現れ悪雲雨を起こしあたり一帯の作物を枯らしてしまうというお告げを受けた。

村人に相談された住職は今晩村全体で「オン・ガルダヤ・ソワカ」と唱えて祈りましょうと申された。

オン・ガルダヤ・ソワカ、オン・ガルダヤ・ソワカ、オン・ガルダヤ・ソワカ…。

祈り始めてしばらくたつと村中の空間が大きく震えるような感覚が村人中に起き、数人の村人が外に出ると屋内に入っていた人に空を見てみろと促した。

全員が外に出ると真っ黒こげの巨大な蛇を咥えた鳥の姿があった。

「あれは迦楼羅様にございます!」

住職が叫んだ。


参考文献

大修館書店『禅学大辞典』 惡龍 あくりゅう の項

佐々木宏幹 仏教とシャーマニズムの互恵関係考

迦楼羅 仏像ワールド

https://www.butuzou-world.com/dictionary/ten/karura/

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る