第11話「八十の翁翁試験場にいる」

18から東〇大学を受験して落ち続け、ついに80歳になっても試験会場に来るおじいさんがいた。

文字通り人生をかけているわけであって、若輩どもには到底はかり知ることのできぬものである。

本人によると小学生の問題すら解けない有様だったというが日雇いの仕事のあいまに勉強をし、ついに合格できた。

入学式に出席した後そこで心が切れてしまったのか一度も大学には現れず退学してしまった。その後の動向は不明である。


大修館書店『禅学大辞典』 はちじゅうのおうおうじょうおくにいる 八十翁翁入場屋 より着想。

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