第2話Those who had landed on this earth, they tried to burn of all.

この地に降りたものはすべての人を焼き尽くそうとした。


 そして、聖典を書いた。

 「汝、隣人を愛せよ」

 と言う。

 しかし、ほんものの聖典にはこう書いてある。

 「他人は殺せ、異教徒は殺せ、男は殺せ、男と交わった女も殺せ」


 つまり、「汝隣人を愛せ」は偽典である。「隣人を殺せ」が聖典なのだ。

 ホッブスは正しい。人間は、万人による万人の闘争状態にあり、互いに殺し合い、つぶし合う、だからこそ統率者が必要となる。

 ルソーは自然に帰れ、自然状態は穏やかで助け合うと書いたが、彼自身には慈愛の精神が欠けていた。育児放棄と児童虐待をしていたらしい。言行不一致。

 マルクスもそうだ。経済学者だが、家族を貧困に追い込んだ。


 学者なんてものにはまともなものはい。デカルトは過労死、ベーコンは凍死だったと記憶している。哲学者として偉大な人間と奉る人がいるが、ろくな死に方をしない哲学者を偉人として持ち上げる時点でどうかしている。キルケゴールは道端で死んだんじゃなかったか、ソクラテスは殺されたし、まともに穏やかに死んだのは実はホッブスだと言うのは皮肉だろう。だいぶ長生きしたらしいが、その健康法は「大声で歌う」と言うものだったらしい。近所迷惑だったと言う。

 ちなみに東洋の偉大なる鈴木大拙はモルヒネで静かに亡くなったらしいので、やはり西洋人は悲惨な死を迎えやすいのだろうか。彼を看取ったのが無償、報酬なしで退職後も病院に居座り、この國に無償労働の大切さを教え込んだ好好爺と言うのは皮肉だ。

 この國で生きるのは難しい。コンクード、征服された二級国民なのだから。

 そもそも、もともとこの國で棲息するのは難しかった、空気を読み、友達と妻と愛人を持ち、妻の子供と愛人の子供両方に愛情をそそぎ、24時間寝ずに働く。

 ならば、二級国民として、労働奴隷として働くがよい。

 この國はもとからあった名前を奪われた。あの日から50年経った記念祭は封じられたーもう、たてまつる人はいないのだから。


 しかし、地球上でもっとも賢い波国人は二級国民になってもただでは転ばなかった。

 二級国民の下に三級国民と四級国民、五級国民と、下には下を作ったのだ。さすが、奴隷制なしで、見えない搾取でなんとか生き残ってきた國は賢い。

 ゆえに、ぼくら、友人がいなくて漫画が好きな人民は三級国民だ。

 一級が誰かって?そりゃあ、政府の人間に決まっている。彼らは友人も家族もいなくても三級に落とされないのだから。

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