どろろ! 傘女
第1話 失踪事件
「な、なんだって!?」
俺、
「うるさ~……あのね、ちょっと落ち着いて聞いてくんない?」
そう情報を提供してきたのは、将来ジャーナリスト志望、新聞部部長の
「これが落ち着いてられるかっての! だって、栗脇さんが行方不明なんだろ?」
「まぁ、そうだけどさ」
「どうりで今日、休みだったわけだ~」
俺は頭を抱えた。栗脇さんというのは、俺のクラスのマドンナ的存在で、容姿端麗で成績優秀、おまけに誰にでも分け
なんでも数日前、取り壊し予定となっている旧校舎に遊び半分で肝試しに行った女子生徒たちが謎の失踪を
「確かに、それは妙だね」
「そこで提案なんだけど、今から行ってみない?」
「はぁ!?」
「だって私も女の子じゃん。いざという時に守ってくれる人がいなくちゃ」
「由里なら大丈夫だよ。全体の7割が男だから」
『バシッ!!』
俺は頭をはたかれ、胸ぐらをつかまれる。
「それどういう意味!」
「ご、ごめん! 嘘! 今のは冗談だって!」
「ったく、じゃあ同行してくれるってことでいいのね?」
「でもさ、俺が心霊系苦手なの知ってるでしょ。昔からどうも、こう、見えなくてもいいものが見えるとういうか、なんというか」
「勇一だって新聞部でしょ? 部長の安全を守るのは部員の務め」
新聞部といっても、俺とこいつ、二人しかいないのだが。
しかし、このままこの事態を黙って見過ごすことも気が引ける。栗脇さんのことも心配だし……俺はしぶしぶ同行を了承した。
「ただし、危険を感じたらすぐ逃げること。いい?」
「うん! りょーかい♪」
こうして、とりあえず軽い調査のつもりで、俺たちは旧校舎へと向かうことになったのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます