閑話
第43話 ライバル
◆
「────ふんっ!」
「グワッ!!?」
ジャックは自分の武器である無骨のオノを使う事なく現れた熊型の魔物を躊躇いもなくただの殴りだけで倒していた。
無骨のオノは使われる事なく未だにジャックの背に背負われている。
ただ、本当はジャックも自分の愛武器を使いたいのだが……あまりにも敵が弱すぎて武器を抜く事すら叶わないのだ。
「────この魔物ハ爪と皮が高値で売れるから取っておけばいずれ幸太達の役に立つだろウ。だが、魔物ガ弱いな………」
そんな事を呟くジャックだが、別にそれは自分の力を慢心している訳では無かった。
幸太と400年間修行をした事により当時よりも強さが付いたのと、幸太とネロと別れた後も地道ながら自身のレベルを上げたので今いる「ダンジョン」ではジャックに勝てる魔物など存在しないのだ。
元々ジャック自体は魔物の中でも特殊な存在で記憶持ちでありながら人の言語を喋る、意思疎通が出来る────「ユニークモンスター」と呼ばれる物に該当するのだ。
ユニークモンスターがなんだかというと簡単に言ってしまえば普通の魔物────「ダンジョン内」に縛られないレアな魔物のことをいう。なのでもし「ダンジョン」が消滅しても他の魔物は消えるがユニークであるジャックは消えることがない。
ユニークモンスターの例を出せば「ユニコーン」だったり「ドラゴン」だったりと空想上の生物、又は力を持つ生物にその名が付けられることが多い。
ならただのゴブリンであるはずのジャックはユニークには入らないのでは?と思うかもしれないがそれは違う。さっきも言った通りにジャックは記憶持ち────簡単に言うと「転生者」なのだ。
なのでジャックはユニークモンスターに該当するのだ。
「今ハ12階層────か、「ダンジョン」の最奥は30階と聞く。「ダンジョンマスター」以外にオレを楽しませてクレル魔物がいると言イがな………」
ジャックは呟くと期待半分の気持ちで階層を進んで行く。
そんなジャックの背後には沢山の魔物の残骸が残されているだけだった。
今、少しジャックの話からも出たが、元々「ダンジョン」とは何処も同じで1階層〜30階層しか存在しない。
ただ、階層によっても強さが異なる。
簡単に冒険者基準の難易度で表すとこうなる。
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ダンジョンの階層による難易度
・1階〜5階:「E・F」ランクの冒険者レベルが必要(「F」ランク: 一般男性でもナイフを持ってれば倒せる「E」ランク: 拳銃が必要になる)
・6階〜10階:「D」ランクの冒険者レベルが必要(「D」ランク: マグナムやロケットランチャー類じゃないと倒せない、それでも倒せない場合がある)
・11階〜15階:「C」ランクの冒険者レベルが必要(「C」ランク: 戦車が必要)
・16階〜20階:「B」ランクの冒険者レベルが必要(「B」ランク: 自衛隊や装備を揃えた軍隊が必須)
・21階〜25階:「A」ランクの冒険者レベルが必要(「A」ランク: 国対魔物レベル)
・26階〜30階:「S」ランク以降の冒険者レベルが必要(「S〜SSS」ランク: 未知のレベル)
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なのでジャックが殺り合いたいと思っている「ダンジョンマスター」なる魔物は「S」ランク以上の強さになるはずなので楽しみにしている。
「ダンジョン」により個体差はある様だが、強い魔物がいるのは確定しているのだから。
「………まだ12階層じゃ準備運動二すらならないな。ただ「ダンジョンマスター」なるものは幸太達と会うまでノ肩慣らしニデモなってくれれば良いのダガな。────また再開出来る時が楽しみダナ」
ジャックはそう呟くとただひたすらに自分の相手になれる強者を探す為に階層を進んで行くのだった。
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ジャック(???歳 男)(ゴブリンキング・元人間)
L v.:62
種族:ゴブリン?
職業:???
体力:4000
魔力:50
スタミナ:5000
筋力:10500
防御力:8000
魔防御力:5000
素早さ:3000
運:80
加護:異世界???の加護
スキル:猛威 起死回生 狂化 剛力 斧術lv.5 体術lv.6 ??? ???
ユニークスキル:??? ???
エクストラスキル:???
属性:無
今は幸太とネロと別行動中、また2人と出会える事を楽しみにしている。
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