第24話 代償と代価




 その光を当てられたゴブリンキングに変化が訪れた。

 まず幸太にやられた傷が徐々に治っていき、欠損けっそんしてしまった手足が生え変わり、元の状態にゴブリンキングは戻った。


 幸太は治った事を確認はしたが、ゴブリンキングが起き上がらない為、呼吸をしているか確認をする為に口元に近付き耳を傾けると────微かに呼吸音が聞こえるので大丈夫だと思い、安心するとその場で尻餅をついた。


 ネロはネロでゴブリンキングの治療を終えると直ぐ様に幸太の肩に止まるとある要求をする事にした。


「────幸太クーン?知っていたぁ〜?今僕が使った魔法は「回復魔法」の最上位の魔法なんだぁ?あれってねクラスの"ジョブ"を持っていないと使えない高等魔法なのぉ?」

「────何が言いたい?はっきりと言え」


 幸太にそう言われたネロは嫌らしい顔を作ると告げた。


「こんな大変な事をさせた僕の────を聞いてくれるよねぇ?」

「いや、だが、別に誰もそんなに強い魔法を使えとは言っていない」


 ネロにと言われた幸太は瞬時に言い訳の言葉を並べるとネロから逃れようとした。

 それ程までにネロが今言ったは幸太が嫌がる程の行為なのだ。


 でも、もう逃さないネロ。


「いや〜〜、それがねぇ?僕も普通は「ハイ ヒール」とかで良いと思ったんだけど────どっかの幸太君お馬鹿さんがこの魔物の足や腕を折るどころか欠損させちゃってたからねぇ?直すには「エクストラ ヒール」しか無かったんだよねぇ?」

「────ぐっ!!くそっ!分かった。ゴブリンキングとの話し合いが済んだらな?」


 とうとう幸太は折れてしまったのか、少々疲れたような表情を作るとネロのを聞く事にした。


 ここで少しの豆知識、ネロが先程使った「エクストラ ヒール」だが、あれは「回復魔法」の中でもネロが言っていた通り最上位の「回復魔法」だ。

 他の魔法も同じだが、下位・中位・上位・最上位とあり、名前の通り下位が弱い魔法で最上位が最も強い魔法となる。



 と、そんな「最上位の回復魔法」をいとも簡単に使ったネロは幸太の言葉を聞くとご満悦な笑みを作り告げた。


「うん!楽しみにしているよ?今日のよ・る?」

「分かってるわ!今は考えたくも無い」


 幸太はネロにそんな風に叫ぶとソッポを向きゴブリンキングの様子を見ていた。


 まぁ、ネロが言うは後ほどという事で。

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