第14話 何気ない談笑
お礼を言ってきたと思ったら知らない相手にいきなり自分の名前を呼ばれた為、幸太も変な反応をしてしまった。ただ、そんな幸太の反応に自分が知っている人物だと確信したその女性は笑顔を浮かべると未だに困惑している幸太に話しかけてきた。
「やっぱり!私の事覚えてるかな?
「……」
ただ、そんな事を言われた幸太だったが、まったく見に覚えが無い為、無言になってしまった。
(──誰だこいつ?こんな奴一緒の学校だったか?いや、覚えにねぇナァ。多分こいつの気のせいだろ)
そう考えた幸太は素直に答える事にした。
「──悪い。お前の事、覚えてないわ」
「──へっ?」
幸太にそう言われた女子、安藤は初め何を言われたのかが分からなくて素っ頓狂な声を上げてしまった。幸太に言われた言葉を理解すると何故か目尻に涙を溜めて幸太の腰に縋り付いてきた。
「う、ウゾだよねぇーー!?私だよ!?安藤奈々だよ!!!?」
「うおっ!?……だから知らんと言っているだろう……ガァ!!」
いきなりの事で対処が遅れた幸太だったが、くっ付かられても暑苦しいだけなので離れさせようと安藤の頭を掴み無理矢理離れさせようとしたが……びくともしなかった。
(こ、こいつ力をそんなに入れていないとしてもどんだけ強いパワーしてやがる!?魔法使いとかって
少女の腕力に
「き、貴様ーー!!俺達の奈々ちゃんに何裏山けしからん事をさせてやがるぅーー!!そこは俺の
「しらねぇよ!?」
その男の言葉に反射的に反応してツッコミを入れてしまった。ツッコミを入れた幸太だったが、自分を無視されたと思った安藤が尚も腕に力を入れて話しかけてきた。
「工藤君!!私の事を忘れながら何
「何で俺今怒られてるの!?……それに佐々木って誰だよ!!」
幸太がそんな事を叫ぶと──
「俺だよ!!」
直ぐ近くまで来ていた幸太を「
そんな男に幸太は──
「お前かよ!!?」
と、2度目のツッコミを入れた。
そんな馬鹿な事をやっている幸太達に、他の皆に少し笑いが起きていた。
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