第71話
ふと目が覚める。
「どこ?ここ…」
なんというか最近起きる場所はなんとも見覚えのないところばっかだと思うんだが俺の気のせいなのだろうか?
にしても頭が痛いし喉も痛い。
「ゴホッ…ゴホッゴホッ…この感じはぁ風邪か?」
今の状態は冬に徹夜を三日ほど続けて風邪をひきそのまま職場で仕事をした時以来の頭の痛さがあり更にいうとめっちゃだるい。
…やはりかなりこの身体には負荷がかかっていたようだ。
そうこう俺がだるい頭でゆっくりと考えているとここの責任者というかなんというか…まぁ神官が来た。
なんというデジャヴという既視感。
この感じも久しぶりな感じだ。
というかなんで俺は無理をすると大体診療所のようなところに運ばれているのだろうか。
まぁそれが俺にとっては助かっているから別にいいんだが。
そんな事を考えながら目の前で説教という言葉を淡々と喋り続ける神官に相槌を打ちながら聞いていた。
神官の言葉を略すと次のようになった。
1.俺の左腕や身体中の血管がボロボロになっていた事。
2.こんな冬場に一人で外に出るなんて愚か者のする事。
3.冬場で服を着たまま水の中には入るな。
4.服はボロボロだったからちょっと変わった職人に修復を依頼した。
5.治療代と服の修復代はあとで払うように。
まぁ略すとこのぐらいだ…あとは全部この人の小言。
そうして俺は話終わって後でまた来ると言った神官の後ろ姿を見ながら自分の身体に目を向けた。
俺はとりあえず本当に傷が治っているのか病衣をめくって自分の身体を確認する。
身体の隅々まで見るが…傷はないな。
腕は流石にまだ治っていないな…まぁまだ包帯が巻いてあるだけマシみたいなもんか。
MPはまだ全回復していないが半分ぐらいは回復している。
こうしてみるとやっぱりこの地域一帯は魔素の濃度が薄いなあれから結構時間は経ったと思うんだがまだ回復していない。
今までだったら3時間でほぼ満タンまで回復するんだが…。
…ん?
少女の身体を見て興奮しないのかだって?
もう精神年齢的にそんなこと考えたら警察沙汰になる歳だからそんなこと考えねぇよ。
というかの身体になってからそういうのには興味がなくなってしまったからなぁ。
やっぱ頭の構造が女性寄りになったからこんな考えになっているのだろうか?
「にしても…だ。ここは本当に診療所なのか?」
壁は純白の白色の石材が使われているが壁が薄いようで隣部屋の人の声がよくわかる。
なんというかあの神官が喋っていた頃からずっと隣の人は耳をつんざくような金切り声を発している。
前の部屋からは「あぁぁ…窓に!窓にぃ!あああぁ」って声が響いているしなんというかここは精神病院も併用しているのだろうか?
あの王国の診療所では精神病患者は別のところにあったんだがどうやらここは違うらしいな。
あれから数時間が経った。
俺は今やることがない。
寝ようとしても金切り声がうるさくて寝れないし廊下は神官のあっちこっちと急いで歩き回る足音が聞こえてうるさい。
筋肉痛も痛いから動くこともできなければ頭が痛くて咳が出て何もできなくて辛い。
今まで色々な事を経験してきたはずだが戦闘以上に今の状況がきつい。
身体的に精神的に辛い。
「はぁぁぁぁ…ゲホッ…辛いなぁ」
あぁこの状況になるとあの時のクソ上司のことを思い出してくるぜ。
怪我をしても風邪をひいてでも出社して働けと言ってきた野郎だったな。
こうして思い出すとムカついてくる。
まぁ名前も顔ももうモザイクのようなものがかかって思い出すことができないがやはり前世のことを外れるとなると複雑な気持ちになるな。
あんなんな思い出も今じゃ大事な前世の記憶だからな。
ふぅとりあえず息を整えるか。
咳のせいでそこまで整えれないがやることで時間は浪費できるだろうし。
この際だから何か無駄な事でも…そういえばあれからステータスを確認していなかったよな。
今から確認するか。
誰もいないしな。
「確か…こうやるんだったか」
そう呟き俺は心で「『開示』」と言う。
すると俺の正面に今までなかった透明な壁が現れて文字が浮かび上がってくる。
名前:レナ
性別:女
種族:人間
年齢:6
職業:魔術師LvMax
状態:左腕負傷(大)風邪
レベル:71
割り振りポイント:330
HP:143 MP:413
腕力:86 体力:109 俊敏:163
知力:205 魔力:413 器用:173
精神:40
職業スキル
高速展開:Lv3 並列思考:Lv7
スキル
気配操作:Lv4 怨念:Lv7 採集:LvMax
身体操作:Lv Max 反射:Lv1 魔の理解:Lvー
ユニークスキル
我流戦闘術:Lvー 暴食:Lvー 神ノ因子:Lv2
回生:Lvー 無情:Lvー
称号
孤児 死と生の狭間を体験せし者 癒す者
克服者 我流戦闘術開祖 『暴食』所持者
倒錯神の加護
…なんというかめっちゃLvが上がっているな。
まぁそりゃそうか。
あのナメクジに亜竜などの高ランクの魔物、魔獣を倒して今回は町を潰すことが可能な蛆虫を倒した。
これぐらいLvが上がらないと割りに合わないか。
だがその割には新しいスキルは取得できないか…。
やっぱりこれ以上の強さは求めることができないのだろうか?
金を積めばスキル屋でスキルを買って手に入れれるがやっぱり自分に合ったスキルが欲しいし…。
スキル屋で手に入れた反射に至っては買ってから全く使っていない…やっぱり自分に合ったスキルを使わなければ成長することはできないということだろうか?
とりあえず今は割り振ろう。
やっぱり俺は魔力特化にするべきだろうか…それともバランスよく振るべきか…。
いやここは魔術師らしく全部知力に振ろう。
知力は記憶力や賢さ、つまりは今以上に強力で使い勝手の良い魔術を覚えてられるということだ。
だから俺は…。
「割り振りポイントを全て知力へ!」
割り振りポイント:0
HP:143 MP:413
腕力:86 体力:109 俊敏:163
知力:535 魔力:413 器用:173
精神:40
これで俺はめっちゃ純魔術師みたいなステータスになったな。
…あとやることは…職業がMaxになっているな。
この職業の並列思考には今回めっちゃくちゃ助けられたな…次の職業でもこのスキルが有れば良いと思うんだが。
さて、確認するか。
「ふぅ良いの出てくれよ…『転職』」
するとステータスの画面から文字が消えもう一度文字が出てくる。
『魔の探求者』上位職。
魔を求めて理解しようとし精神は狂い始める。
だが我々は狂う事を恐れない。
全ては目標を滅するため、求めるものの代償としてはこれは容易いことなのだ。
だからこそ我々は魔を探し求める。
『復讐者』上位職。
血みどろになり全てを恨み復讐を誓う者は全てが許される。
皆のもの叛旗を翻せ。
それは復讐心を持つ者を率いり反乱を起こすために動き出す。
『原初魔法使い』ユニーク職。
それはもう誰も使うことは無い昔の秘術。
ある者共を滅するための特別な部族の伝承の魔法。
誰がこれを使いこなすことができるのだろうか?
『暴食者』ユニーク上位職。
その者は全てを喰らい尽くす。
普通を食べることは飽き足らず異色を喰らい平らげる。
全てを食べるが空腹は満たされることは無い。
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