第40話
足に力を入れて駆け出す。
今自分にかけている魔術の補助は5分ぐらいできれてしまう。
自分はどうすればいいのだろうか?
普通に戦うだけじゃ死ぬ。
そんなことわかりきっていることだ。
自分は子供で戦闘はあまりしたことがない。
どれだけ戦闘をしてようが騎士のような戦闘特化みたいな奴らと対峙して戦う戦闘力なんてない。
今はただナイフを振り下げよう、魔術を放とう。
ただただそれだけを考えよう。
逃げるなんて馬鹿なことを考えず今はただ前にいる敵だけのことを考える。
どうせ身体に傷がついたって俺のスキルを使えばどうせ治るのだから。
そう思い直して俺は右手で魔法陣を描く。
この際だから炎を使ってもいいだろう。
「魔法陣展開、獄炎舞!」
自分の初めて成功したオリジナルの魔術。
周りへの被害がでかいためあまり使わないと思っていたがまさかこんなに早く使う時が来るとは思わなかったな。
俺は上に手を上げ魔法陣を発動させる。
赤色の軌跡、紅蓮の炎、空中に舞う火の玉、そういうべき光景が目を覆い尽くす。
獄炎舞は獄炎が舞う魔術だ。
もちろん火の周辺にいる俺も熱いがその火を操ることができるのだからもちろん火を遠ざけることができる。
まぁ何が言いたいかというとこれは火を操ることができる魔術というわけだ。
時に盾となり時に剣にもなる。
さて説明はこのぐらいにしてそろそろやるとしよう。
俺は魔法陣を前に向け炎の指揮をとる。
俺の周りを飛び、舞い踊る炎は12個。
3つは盾として残して残りの全てを敵に撃ち出す。
速度は100kmぐらいだが十分に速いと言えるだろう。
少なくとも俺は避けれる気がしない。
いや正確的には避けれるが身体強化を使わなくちゃ避けれる気がしない。
そして俺が指揮をとる炎が騎士へと降りかかる。
それは舞うようにして、風を切り辺りの風を熱風へと変えて降りかかる。
そして舞う炎は騎士へと当たり少し後退りさせる。
…それくらいだ。
「やっぱ騎士はそう簡単にいかないか…」
そりゃそうだろう相手は騎士、国を代表する集団だ。
魔法などを防ぐ方法を持ってないはずがない。
俺があの時騎士を倒せたのは『ドラゴニア』のみんなが先に敵を削っていてくれたからあの時魔術が効いただけだ。
おそらく騎士は防具に魔導士の付与を行って魔道具で身を包んでいるのだろう。
効果は魔力による攻撃を防ぐと物理による攻撃を防ぐ効果を持っているのだろうな。
なんとなくあの防具からは2つの魔力を感じるからな。
「全く優秀なことで…魔法陣展開、守護結界からの限界突破!」
そうこうしている間に2つの魔術を発動させる。
守護結界は自分に魔力の強固な壁を作り出す魔術。
まぁあまり意味が無さそうだが一応何か来た時はこれで身を守れる。
そして限界突破は…。
「ぐっ…がぁぁぁぁぁ!」
電撃が身体を蝕み強制的に身体能力を軽く超えた速度に達する。
周りから見ればまさに狂気的な魔術だろう。
何せ自分を痛めることで最大以上の能力を生み出しているのだから。
目に見えるほど強い電撃がプラズマとなり見え身体強化による淡い粒子と重なり赫く。
魔力による攻撃、物理による攻撃、俺の持つ最大の攻撃をも防がれるだろうその装甲を破るには俺の持つ限界を突破しなくちゃいけない。
たとえ俺がそれで死のうとも構わない。
今はただ敵を倒すそれのみを考える。
そして強化した俺は騎士の集団の目の前で急停止して魔法陣を展開する。
騎士は焦って防御の陣形を立てようときているが遅い。
「喰らえ!魔法陣展開…竜喰」
発動すると同時に後ろへ飛ぶ。
こうしないと竜喰の効果範囲に入ってしまうからだ。
竜喰を喰らった騎士はどうやら土と一緒に喰われたみたいだ。
だが本当にしぶといなあいつらそのまま土に埋もれて窒息していればよかったのにもう土から出てきている。
全く持って勝てる気がしない。
最大威力の魔術を喰らっても装甲の一つも凹みはしないし騎士もやれやれといった感じに土を払っている。
接近戦…仕掛けてみるか?
そうこうしているとあちらから1人の騎士が出てきて俺に提案をしてきた。
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