第30話

では研究した魔術を一つずつ説明をしながら見ていこうと思う。


まず1つ目はベースはファイアーボールにした『獄炎舞』。

この魔術はファイアーボールを円盤状にして自分を中心として発動する魔術だ。

効果時間は約60秒。

効果は炎が舞うようにして空中に展開され自分に近づく者を焼くように空中を描くというものだ。

一見すると防御にもなると思うがこれには大きな欠点がある。

それはとにかく発動していると熱いということだ。

そして無差別に炎が飛んでいくから仲間に当たる可能性もある。


次に2つ目はベースをサンダーウェアにした『限界突破』。

これは電気を纏うという点に目を置いたからこそできた作品だ。

人の身体には微弱ではあるが電気が走っておりその電気によって身体は神経が作動し動くことができるとされている。

俺はあまりその分野は知らないが話は聞いたことがあるのでそれを応用して自分の身体の電気を高めることで限界を越える限界突破を考えて生み出した。

問題点を挙げるのならばMPの燃費が悪く高確率で使い終わった後身体が動かなくなる。


3つ目はいくつもの闇系の魔術をベースとした『災禍』。

この魔術は発動した時はただのダークボールにしか見えないが対象に当たるとその名の通り災いと言えるほどの効果を発揮する。

効果は腐敗、即死、病気、麻痺、呪縛、昏睡などなどいろんな厄災を秘めたものとなっている。

まぁ使うことはないだろう。

発動するだけで全ての生命が生き残ることができなくなる。

たとえそれが不死だろうと。


4つ目が無属性のボールをベースとした『竜喰』。

初めは竜のアギトと付けようとしたが俺の実力では竜の形を作れなかったため竜を喰らい尽くすぐらいの大きな口を作り出すものとなった。

威力は絶大で全てを飲み込み魔力で押し潰す形で相手を飲み込む魔術だ。

消費MPもそれほど大きいわけでないので使いやすいが自然に生えている物まで飲み込んでしまうので多用はできない。


5つ目は『マナバスター』という無属性の前にしか撃つことができない波動系の魔術をベースとした魔術『魔砲』。

込めるMPによって大きさを変えることができ連射、多重の使用が可能な魔術だ。

とても使いやすく仲間に当たることもない。

1番使い所が多いであろう魔術だ。


6つ目はいろいろな支援魔術を複合、重複して作り出した魔術『勝鬨の狼煙』。

HP上限、MP上限、全ステータスの大幅向上、状態異常一定時間無効を発動することが可能となる。

複合支援魔術最強といってもいいがその分デメリットとして発動している時は常時MPを消費し続けてしかもそこから動くことができなくなるので自分を守ってくれる人がいないと一瞬にして狙われてしまうという魔術だ。


7つ目、これはまぁ正直成功するとは思わなかった魔術『転移』。

これは普通にあると思うだろうが実は本にも載っていなかった魔術だ。

使うには座標を設定して初めて発動する。

そして発動するまでにかかる時間がとんでもなく長い。

座標を調べる魔術の魔法陣、記録する魔術の魔法陣、魔術で消費するMPを削減する魔術とまぁ色々な魔術を組み合わせて初めて完成した魔術となる。

削減しても消費するMPは莫大だし戦闘中に発動はできないが長距離の移動にはもってこいの魔術だろう。


8つ目の魔術は自分オリジナルで作った『禁術の法』。

この魔術は禁術を行う前に発動させる魔術だ。

まず禁術とは発動したら大きな変化を起こすことができるが対価として大きな呪いなどを受けることとなる魔術だ。

国によっては禁止されているものもあるため多用はできない。


9つ目は光と闇属性の封印系の魔術を詰め込んだ『魔封の理』。

あまり使い道はないが完全に相手の魔力を一定時間封じ込めることができる魔術だ。

といってもちょっとした外部からの衝撃が加われば簡単に術が解けてしまうがな。

使い道は…一発だけ最大火力の攻撃を無抵抗で与えることができる程度だろうか。

まぁこの術を発動させながら他の魔術を発動させるなんて器用なことできるわけないんだよなぁ。


10つ目の魔術は無属性魔術の『トランスファー』という魔力を対象に与えることができる魔術を反対にした『アブソープション』という魔術を改良して作った『収集の魔印』。

これは自分の身体に向かって発動することで空気中にある魔素を集めて魔力へと変換して身体の中に吸収することができる魔術だ。

凡庸性が高く他の魔術の魔法陣に合わせて発動すると勝手に魔力を集めて発動してくれる固定砲台となるためよく使う魔術になるだろう。


最後11つ目の魔術は無属性魔術の『マナバリア』という自分を保護する膜を作り出す魔術を改良して作り出した『守護結界』。

単に自分の身体に強化されたマナバリアが張られ自分の周りを囲むように魔力の壁を作り出す術だ。

強度は中級魔術を10発ぐらいは耐えることができるかな?


とまぁこんなもんだろうか。

これを7日の間に作った俺って天才じゃないか?

まぁ発想自体は元々考えていたものを参考に作り出しただけなんだが。


さて確認も終わったことですしギルドに移動しますかね。

昨日割と良い依頼があったから受けたんだよなぁ。

その名も商人の護衛依頼。

午後の大体1時ぐらいに門の前に集合となっていたからそろそろ移動しなきゃな。


「ふふふ、これでこの高いところからもおさらばだぜ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る