第21話
「ではこちらの紙にあなたの名前、種族、年齢、レベル、そして使える属性と得意なことを書いてください」
そう言われ俺の前にA4サイズの紙と羽根ペン?みたいな物が置かれた。
受付の女の人から「代筆は必要ですか?」と言われたが俺は字を書けるため首を横に振った。
そして俺は羽根ペンを左手で持ち紙にペンを走らせた。
名前:レナ
種族:人間
年齢:5
レベル:16
使える属性:風・氷・電気
得意なこと:採取
こんなもんだろうか?
属性に関してはまさか全属性とは書きづらいため良く使う属性をチョイスしておいた。
得意なことはまぁ…適当に書いといたぜ。
「この内容でよろしいでしょうか?」
「はい」
「それでは冒険者ギルドへ入るための講習をこれから受けてもらうことになるのですがよろしいでしょうか?」
「はい大丈夫…です」
「ではあちらの扉の部屋へどうぞ」
そう言われて案内された部屋はわかりやすく色々な情報が書かれた紙が貼られている。
なんとなくだがここでの講習内容がわかる部屋だなぁと思った。
そこでしばらく待っているとさっき受付してくれた人とは違う女の人がきた。
さっきの人は髪の色が水色だったがこの人は薄い緑色だ。
こういうところもファンタジーだなぁと思うなぁ。
「それではこれより講習を始めます」
「はい!…よろしくお願いします」
…幼女講習中…
「ありがとうございました」
約3時間たっぷりと俺に講習をしてくれた役員の人に挨拶をした。
ここで教えてもらったことは俺にとって生き残ることに最も重要なことばかりだった。
「復習として一つ一つ思い出していくか。忘れていたらやばそうだしな」
まず一つ目に教えてもらったことはランクについてだ。
ランクは最低がFで最高がSの7段階に分かれている。
そしてランクを上げるにはギルドのクエストを一定以上のクリアすることでランクが上がる。
だが例外もありその中でCランクに上がるには指名クエストのクリアが条件として追加される。
次に2つ目に教えてもらったことは魔物・魔獣の解体についてだ。
まぁこれについては提出する部分を教えてもらったりギルドの図書室に解体できる部分を記した本があるとかそういうことを教えてもらった。
そして3つ目は周辺の採取物の種類や取り扱い方を教えてもらった。
採取しなきゃいけない物の中には当然毒の含まれる物をあるためそれの採取方法や保管方法などを教えられた。
最後に職業について教えられた。
職業は今俺が持っているこの黒色のなんか変な文字が綴られた紙を破れば職業が冒険者になるらしい。
その職業冒険者はレベルを上げることでアーツと呼ばれるスキルに似た技を放つことができるようになるらしい。
レベルが上がることにより入手できるアーツは人それぞれで必ずしも他の人と同じというわけではないらしい。
そしてレベルが上がり10に達するとそれぞれ自分に適した職業、例えば剣士や魔法使いなどいろいろな職業へと転職が可能となる。
その中にはユニークな職業もあるが大体の人は普通の職業になる。
「さてとではそろそろお世話になった無職とはおさらばして冒険者になりますかねぇ」
そういい俺は持っている黒色の紙を破った。
すると自分の中で何かが『カチッ』という音がした。
「コレでいいのかな一応ステータスの職業のとこだけ『開示』」
職業:冒険者Lv1
よし…ちゃんと職業は変わっているな。
…今日は帰るか。
明日から仕事しよう。
そうだよなぁ働きすぎるのは良くないオレ、マナンダ。
なんつーか授業を受けていた時の眠気と怠さが一気に襲いかかってきた。
うむこの感じ懐かしい実に懐かしい。
「ということで屋台とか見ながら帰りますかねぇ」
うむうむと頷きながらギルドを出ていく。
相変わらずギルドの周りは武装集団がいる。
それを通りすぎ『仮面屋』の前まで移動する。
どうやらもう店仕舞いしているそうで店主は大きい身体を駆使して荷台に売れ残りなどを詰めている。
「はぁもうすっかり夕暮れですなぁ…早く帰らないと真っ暗になってしまう」
俺は小さな歩幅をできるだけ大きくし急ぎ足で歩いていく。
しかし歩いている最中に俺は目を引く店を見つけてしまった。
「うぐッ…しかし早く帰らないと暗くなってしまうが…」
いやいいや行っちまえ!
どうせ俺には気配遮断というスキルがある。
そうと決まれば早速入ろうか。
『スキル屋』に。
「お、おじゃましまーす…」
ほぉ?
いっぱい棚が置いてありそれぞれスキル名と思わしきカードが置いてある。
コレは…ここの店主に聞いた方が早いかな。
ちょうどカウンターに紺色の髪をした店主っぽい人もいるみたいだし聞いてみるかな。
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