孤児は戦争へ
第19話
「おはよぉございまぁす」
朝起きてすぐ誰がいるわけでもないが挨拶をする。
最初は寂しさを紛らす為に行ってきたことだがもう癖になってしまった今日この頃。
あのスライムを倒してからもう1ヶ月経とうとしていた。
折れていた腕はもう完全に治っている。
まぁスキル『治癒の身体』のおかげなのだがな。
あれはすごかったな身体の傷が一瞬にして治っていくのは見てて自分の身体ながら気持ち悪かったぜ。
あと、ヒールではHPは回復したが腕は治らなかった。
やっぱりそこら辺は専門的な知識が必要なのかな?
それとも俺が神官じゃないからか?
1ヶ月も経つと周りの環境が変わると思うが俺の環境はあまり変わっていない。
今しているように朝起きたらストレッチ、柔軟を行い朝昼晩と三食、木の実と薬草を食べる。
まさに霞を食べると言われる仙人の如き食事場なのだ。
「肉が食べてぇなぁ」
ついそう口をこぼしてしまう。
今の状況で肉を食べるとなると市場に行って買うか狩りをしなければならない。
まぁ耐性があるから血を見ても何も思わないんだろうけどまだ血を見る覚悟はできてない。
となると買うってことになるのだが金はできるだけ使いたくない。
「うーむこれでは栄養失調になってしまうかな?」
流石に草と実だけの生活だと栄養が足りなくて倒れてしまうかもしれない。
はぁ今日は仕方ないが市場に行くとしよう。
金はどのくらいあったかなぁ?
「えーと?金貨が1枚、銀貨が5枚、小さい銀貨が2枚、銅貨が10枚か」
防犯のために持っていく金は最小限…いややっぱり全部持っていくかこの際だから冒険者ギルドにも登録していくか。
っとその前にステータスの確認でもしとくか。
別に忘れていたわけでは…すいません忘れてましたね。
「では、ひさしぶりに『開示』!」
名前:レナ
性別:女
種族:人間
年齢:5
職業:なし
状態:なし
レベル:16
割り振りポイント:140
HP:19 MP:187
腕力:16 体力:19 俊敏:18
知力:38 魔力:187 器用:24
精神:100
スキル
混食:Lv4 執念:Lv8 気配遮断:Lv Max
採集:Lv7 精神耐性:Lv Max 畏怖耐性:Lv Max
病気耐性:Lv3 吸収強化:Lv2 身体操作:Lv4
自動回復:Lv7 治癒の身体:Lv6 精神統一:Lv9
危険察知:Lv5 魔の理解:Lvー
ユニークスキル
我流戦闘術:Lvー
称号
転生者 孤児 死と生の狭間を体験せし者
草を喰らう者 癒す者 克服者
我流戦闘術開祖
ステータスはすごく上がったな。
振り分けポイントが140ポイントもあるだと?
何に振り分ければいいんだ?
スキルは雑食から混食になって消化強化が吸収強化になったか。
詳細でも見るか。
混食:Lv4 あらゆる物を食べることができる。この者、異食であり雑食であり飽食である。そして暴食の一端を見せ資格を得る者。
吸収強化:Lv2 食べた物を余すことなく吸収ことを強化する。
…暴食って俺そんなに食べてないんだが?
つーかスキルが食べることに特化しているな。
断食でも…いやいやそんなことしたら絶対に栄養失調で死ぬな。
次は振り分けポイントでも振り分けるか。
今は後先考えずに振り分けでみるのがいいかな?
いくら2桁台のステータスに全てなったとしても弱いのは変わらなそうだし。
元々が低そうだからなぁ。
「さてとこんなもんかな?」
割り振りポイント:0
HP:29 MP:187
腕力:31 体力:54 俊敏:58
知力:58 魔力:187 器用:44
精神:100
スライム戦で痛感したが圧倒的に逃走する俊敏さが足りなかったことから結構ポイントを振り知力にも振り分けた。
これにより多くの魔術を使い、覚えることができる。
つまり魔術のレパートリーが増えるのだ。
さて、そろそろ準備して出かけましょうかね。
綺麗に畳んでいる少し大きなローブを被り、何時ぞやの侵入者が持っていた綺麗なナイフとポーション、そして金の入った袋を腰に巻きつけている枯れ草を束ねたロープにつけていく。
それと何に使うのか全くわからないあの黒スライムからドロップしたビー玉サイズの玉も持ってと、あとはこの1ヶ月の間、暇な時にスライム戦で割れた木の木片を鋭い石を使って加工した不恰好な仮面をつければ…。
「なんてことでしょう。まるで顔の見えない不審者にしか見えないではありませんか」
俺マジ不審者。
じゃあ出かけますかね。
「行ってきます…誰もいないがな」
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