第16話

「おへぇございます」


雑に貼り付けている布の天井の隙間から木漏れ日?というか日差しが直接俺の顔面を照らし続け思わず顔をしかめる。

それをみて俺はこう思う。


「うわぁ…あれ直すのめんどくせぇ」


そう思うのだった。


…幼女修理中…


「ようやく終わったぜ…」


俺は朝食である昨日とってきた小さな赤い実と薬草を食べた後俺の睡眠を覚ました隙間を修理した。

とても長く苦しい戦いだった。


さて、今日は何をしようか。

レベル上げでもしようかな、早めに体力を上げたいしなぁ。


そう結論付けて俺は外に出ることにした。

そしてそのまま森に向かって走り出すことにした。


「結果、疲れた」


なんで俺は昨日と同じことをするのだろうか?

マジで満身創痍也。

少し休憩してから行動開始しますか。


「えーと、まずそこら辺から取れる赤い小さい木の実を取りましておもむろに口に入れます。うむ美味い」


…幼女休憩中…


ふぅ、さてそろそろ行動開始しようかねぇ。

前世から癖になっていた「どっこいしょ」という掛け声と共に立ち上がる。

身体が若くなってもこういう癖は抜けないものだ。


「戦いやすいスライムでも探して倒しますかねぇ」


といっても個体数が少ないのか分からんがあまり見かけないんだよなぁ。

まぁ探しますかね。


…見つけた。

ここまでの時間約30分いつも通りまん丸なスライムを見つけた。


「狩猟開始!敵の数は2体か。簡単な魔術でも倒せそうだな」


ということで簡単な魔術というとMPの消費が少なくかつ多重魔術では無い攻撃魔術か。

『ウィンドボール』とかどうだろうか?

あれなら地形を破壊するってこともないしMPの消費も最低限抑えられるっていうかMP2しか消費しないからコスパがいいしな。


「ということで『魔法陣展開』、『ウィンドボール』、『発射』!」


そういうと魔法陣から緑色の軌跡を描きながら球体が発射される。

そして1匹のスライムを貫通しながらもう1体のスライムを貫きそのまま木へ当たり霧散していく。

やはり風魔術は早い。

シンボルも描きやすいし適当に描いてもある程度発動する。

そして何より着弾する速さが早い。


「さてこの調子でサーチアンドデストロイしていきますかね」


ダイジェストでいくぞ!


見つけた!からの『ウィンドボール』!

見つけた!『ウィンドボール』!そぉい!

見つかった!『ダークボール』!間違ったぜ。

いた!魔力を纏わせて殴る!手がベトベトする。洗ってくるぜ…。

見ーつけた。ふんッ!もう普通に殴っただけで倒せるようになったなぁ。


さてと次はどこにいるのかなぁ?

ん?アレはなんだ?

ドラなクエストでよく見かけるような奴ではなくドロドロの奴だ。

しかも結構でかい。

大体成人男性くらいだろうか?


打撃での攻撃は効かなそうだな。

ということは魔術での攻撃をしようではないか。

さっきまでの戦闘の中で鍛えて短略した魔術を見せてやろうではないか。


「魔法陣展開!多重『エアーカッター』!」


『エアーカッター』とは『ウィンドボール』の派生でまぁただ『ウィンドボール』を押しつぶして平べったくして相手を斬ることに特化させた形にした魔術だ。

まぁ発動までの時間は1.5秒で結構使い勝手の良い魔術だ。

そこに火力を上げる『ブースト』と音を消す『サイレント』をつけているから見つかっていない状態で一方的に倒すことができるというわけだ。


「ということで『発射』!」


魔法陣から放たれる軌跡がスライムを真っ二つに切り裂く。


「はっはぁ!どうだ?この高威力は?」


スライムはそのまま地面へと染み込んでいき俺の拳サイズの玉を残して消えていった。

コレはよく異世界系小説で読んだことがある魔石だろうか?

金になるかなぁ?


「ま、持っていて損は無いな」


さてと帰る…その前にやることがあるようだな…。

周りを見渡せばさっきと同じ成人男性くらいの大きさのドロドロスライム達が周りを囲んでいた。

どうやらまた俺は森の深くまできてしまったようだ。

本当に懲りないな…。

まぁしょうがないスライムなんかに負けて死ぬわけにもいかないし、ここからは本気で相手をしようか。

万が一、負けないようにな。


*新しく使った魔術一覧*


エアーカッター:風を凝縮してカッター状にした風を発射する。また相手を斬ることに特化している。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る