第13話

「さてと手を前にかざして魔法陣を思い浮かべると」


すると魔法陣が手を中心に作られていく。

シンボルマークは…『土』だから角ばった石を丸の中心に思い浮かべる。

魔力は十分に補充している。

イメージも十分だ。


「ふぅぅいくぜ?『アースボール』!」


発動すると同時に魔法陣が輝き俺とおんなじぐらい?の球が出てそれが120kmくらいの速さで飛んでいく。

そしてそのまま森の奥へと消えていった。


「いやぁはやかったなぁ」


さて次の属性を使ってみるか。


「『アクアボール』『ウィンドボール』『マジックボール』『ライトボール』『ダークボール』『アイスボール』」


だいたいこんな感じかな?

ただし『ライトボール』はただの光る球が宙に浮かび辺りを明るく照らすだけだった。

光源用魔術だったのか。


次は支援魔術をやってみるか

支援魔術は自分か他人に対して発動させることができる魔術で『クイック』や『プロテクト』などがある。

そしてさらに『軽量化』や『ヒール』などいろいろ便利な魔術を使うことができる。


「魔術は便利ですなぁ」


さて次は論文に書いてあった重複魔法陣だ。

まず『アースボール』の魔法陣を展開してその上に支援魔術の『クイック』を重ねる。

…これ何重まで重ねられるのだろうか。

ちょっと試してみるか。


「『魔法陣展開』『重量倍増』『魔力削減』『硬質化』…どうやら五重複が限界のようだな…頭が痛い」


しかし並列思考というのはこういう事を言うのだろうな。

複数の事を同時に作業する。

これほど大変だとは思わなかった。

前世の社畜時代でも3つの事を同時に行なっていた時はあったがそれ以上のことを同時に考えてやらなくてはならないとはな。

頭が疲れるわ。


「では『発射』!」


発射した瞬間すごい速さで土の塊が飛んでいき森の木を倒しながら飛んでいった。

まじ高火力最高。


そうだ次は土属性の違う技を撃ってみようか。

確かボール系の技とは違う魔法陣を展開しなきゃいけないんだっけ?

んーと俺が土系で覚えている魔法陣ってあとあったっけ…。


「そうだあれがあったな。『魔法陣展開』『アーススパイク』『設置』…『発動』!」


『発動』というと地面から六本程の土でできた先がすごく尖っている棒状のものが勢いよく出てきた。

この魔術は設置型の魔術で設置したときに完全に魔法陣が見えなくなりキーワードをいうと起動される罠と言ってもいい魔術である。

ちょうどいい位置にいなければ発動しても意味がない魔術だが集団に使用する事で必ずと言っていいほど倒すことができる使い方によっては強い魔術だ。


じゃあ次の実験は何をしようか。

最強を目指して今できる最大の魔術でも撃ってみるか?

うん、そうしようそれがいい。


まずは『身体強化』を上限まで脳にかけて並列思考を補助する。

いま覚えている魔法陣の中で一番最強そうなのは…いやここはいっそ重複させるか。


「『魔法陣展開』『アースジャベリン』そして回転をつけるために『ウィンド』そして『重量増加』『硬質化』『クイック』『オーバーバースト』『ブースト』『サイレント』『魔力削減』属性をさらに纏わせるために『ウェアサンダー』っとこんなものかな。計十重複もかけることができた」


流石にこれ以上は重複することができない。

しかしこの魔法陣どないしようか。

ここで撃つには危なすぎる。

さっきの重複『アースボール』だけでもあれだけ被害があったのにこんなのを撃ってしまったらそれこそ森の一部を壊してしまうかもしれない。


「ここら辺の資源をなくすのは惜しいしなぁ」


解除をするにはどうするんだっけか?

あぁそうだあれだ。

だがもう一つ魔術を発動できるか?

今のこの魔法陣を展開している状態でもきついというのに…いや、やるしかないか。


一つの魔術『クイック』を魔法陣群から引き抜いて自分に発動させる。

たとえ任意で発動できるとはいえこれらが一歩間違えれば発動してしまうと考えると焦ってしまう。


「ふぅ次は『ディスペル』」


『ディスペル』をかけることによって全ての魔法陣が霧散していった。

全く調子に乗ってやりすぎたのが悪かったか。


「今日使った魔術の説明を見直して次はもっと効率的に使えるようにしなきゃなぁ」


あぁこの後何をしようか。

Lv上げでもするか。


そうして俺は森に向かって歩を進めるのであった。


*ここからは今回使った魔術の一覧です*


アースボール:土で作られた球を撃ち出す。

アクアボール:水で作られた球を撃ち出す。

ウィンドボール:風で作られた球を撃ち出す。

マジックボール:純粋な魔力で作られた球を撃ち出す。

ライトボール:辺りを照らすことができる光の球を宙に浮かばせる。

ダークボール:闇で作られた球を撃ち出す。

アイスボール:氷で作られた球を撃ち出す。

クイック:対象の速さを上昇させる。

プロテクト:対象の防御を上昇させる。

軽量化:対象を軽くする。

ヒール:対象のHPを回復させる。

重量増加:対象の重量を増加させる。

魔力削減:使う魔力を減少させる。

硬質化:対象を堅くする。

アーススパイク:土で作られた地中から数本の尖った棒状の槍を出す。

アースジャベリン:土で作られた投擲槍を撃ち出す。

ウィンド:風を起こす。

オーバーバースト:対象に爆発的な勢いをつける。

ブースト:対象の攻撃を上昇させる。

サイレント:対象の音を消す。

ウェアサンダー:対象に雷を纏わせる。

ディスペル:対象の『魔』を強制的に解除させる。

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