第2話 驚き

「ギヤャァ!ギヤャャァア!!」


不意打ちの奇声で度肝を抜かれた。


「わぁっ⁉︎」


全身に電流が流れた。びくついて力が抜けていく、足がへなへなと萎れたようになり、腰が抜けてしまった。


「キャッキャッキャッ」


小汚い化け物に笑われる。


そいつはすぐに近づいて、短剣を振り上げた。


反射的に背を向けると、容赦なく短剣を叩きつけてきた。


ガシガシと打ちのめされる。嬉々としていたぶり、キャッキャと笑っている。


しかし太刀筋もめちゃくちゃ、短剣で切るというより、棒で叩いているのと変わらない。


幸いローブと背負い袋に防がれて、たいしたダメージは無かった。


ようやく足に力が入ると背負い袋をぶん回し距離を取る。


背負い袋を盾にして構えると少し冷静になれた。


確実にやりに来ている。力も強い、多分食われるのだろう。

でも武器の扱いや頭は悪そうだ。錆びた短剣だろうと刺されれば、失血し、痛みでパニックになり、反撃する気力も失せていた。


改めて対峙すると武器は持っているが振り回すだけ、背丈は低く、そして一匹だけだ。


覚悟を決めて殺る!


睨み合いに焦れたか?短剣を振りかぶり突っ込んできた。


背負い袋で受け流し、短剣を抱え込んで、諸共倒れ込む。武器を奪おうとするが中々に力が強い!


油断して左腕を噛まれる。


「おお!!」


自分でも信じられないほどの雄叫びをあげ、渾身の力で武器を奪おうとするが、奪えない!


足で奴の指を蹴り付け、ようやく武器から手を離した。ゴロリと転がるようにして、短剣を取り、起き上がりかけている奴めがけダッシュで駆け寄り、身体ごと奴を刺し貫く!


腹から刺した短剣は背骨に擦り、突き抜けた。抜こうとするが筋肉に邪魔され、動がない!


奴を見ると目を見開き、血を吐き出していた。


強く握られいた腕をようやく離してくれた時、湯を浴びさせられたような熱を感じ、自分の体内に吸収される。


「なんだったんだ⁇」


心なしか身体が軽くなり、左腕の傷の痛みも少し柔いだ気がする。


さらに目の前の奴の重さが軽くなっていき、透明な粒子の粒になり、消えてしまった。


「もう!本当になんなんだ!」


そして短剣を刺し貫いた格好のままの自分の足元には深緑色に輝く魔石がドロップしていたのだ



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