第4話 私はシャドーチキンです。

 いやーすごい見晴らしのいいところだ。 

 森を抜けるとそこは見晴らしのいい広大な平原であった。

 芝生が風でなびいており、その光景を月明かりが照らしている。

 うわーキレイ。

 感想が乾燥していた。

 前世ではあまり見られない光景

 そもそも私外とか出てないんだよね。

 高校は通信制だったし、大学も行ってるけどほとんど講義とか出席してなかったんだよね。

 それに自然に囲まれた環境じゃなかったから。

 というかなんで私転生したんだろ。

 私は前世の最後の記憶がなかった。

 どう死んだのかさえ朧気のようだ。

 まあ情報がどんどん流れていたからそのせいでもあるんだけど。 

 私はこの広大な草原を歩いた。

 周りを見るとモンスターの量が多い。

 でも狙われない。

 あれ、なんで。

 [固有スキル夜の徘徊者により、夜の時、周りにいるMOBの感知能力を0にします。]

 いやー何その能力。

 あれ、てことは相手もまさか味方の位置とかわかんなくなるの。

 そう思っていると1匹のモンスターが仲間に当たった。

 えっ怖。

 それに固有スキルって何。

 だってステータス画面でもさ、スキルはあっても固有スキルなんかなかったよね。

 本当になんなんだろ。

 私はそう考えてた。

 [シャドーチキン レベル1 最大レベル1

 HP10 MP100000

 攻撃力0 魔法攻撃力30000 防御力0 魔法防御力50000 素早さ10000

 スキル 飛翔 火炎耐性 麻痺耐性 火炎攻撃 神速 空転 自動回復 不屈の闘志 エンカウントカース 死屍還元 月光浴 ナイトメアクリーチャー 墓詰め ドラゴンエンブレム 影移動 シャドーデコイ 影魔法 闇魔法 五獄の禁術闇]

 

 すると1つの灯りが見えた。

 なんだあれ。

 私はその近くまで来た。

 そしてそこには一人の少女がいた。

 うわー可愛い。

 顔とかめちゃくちゃ綺麗に作られてるし。

 それに比べて・・・私はなんなんだ。

 黒い瘴気をまとってるんだぞ。

 人間、いやニワトリというか生物としても怪しいんだぞ。

 もはや一種のホラー要素だわ。

 でももう少し近くに行こう。

 私は茂みを移動したためガサッと物音がした。

 その音で少女がそこに向く。

 えっ、なんでなんで。

 「だ、誰か居るんですか。」

 少女は呼びかけた。

 えーここで私が出るの。

 恐ろしくなって逃げ出すよ。

 だって黒いもん。

 全身黒

 まあとりあえず固有スキルで感知できないわけだし。

 ん、でも待て。

 なんでバレたんだ。

 まさか、感知っていうスキルを無効化するということなのか。

 ということはやばくないか。

 その少女は恐る恐る私に近づく。

 えーどうしよう。

 考えろ考えろ。

 こっちよくよく考えたらHP10なんだぞ。

 おかしくない。

 すると灯りが私のすぐ近くまで来た。

 くそ、こうなったらこうするしかない。

 少女はそこに着いた。

 しかしそこには誰もいなかったし、そのような痕跡も見当たらなかった。

 「あれ。私の勘違いかな。」

 少女は元いた位置に戻り、そのまま歩き出した。

 いやー危なかったわ。

 私は少女が来た瞬間に影移動を発動した。

 影移動

 発動中はMPを消費するけど影に潜ってそこから移動できる。

 特に夜だとほとんど影だし、逃げ場があってよかった。

 「キャーー」

 するとさっきの少女が悲鳴をあげた。

 えー、また変なトラブルなのー。

 でも一応助けてやりますか。

 私は即座に影から移動した。

 するとそこには一人の少女と3匹のゴブリンがいた。

 えーゴブリン!!

 リアルで見たけど思ったより気持ち悪い。

 でも弱そう。

 ゴブリンは1匹が棍棒と盾を持っていて、もう2匹は丸腰である。

 でもこんないたいけな少女を放っておけない。

 仕方ない。頑張るか。

 [エンカウントカースによりゴブリンに麻痺、毒、命の楔を付与しました。]

 するとゴブリンたちは苦しみ出した。

 少女はその光景に少し戸惑っている。

 そこでこれだ。

 [影魔法 シャドーハンドを発動。]

 すると影の中から黒い手がゴブリンの体に這い寄る。

 ゴブリンは困惑し少女を攻撃するが、体が動かなくなる。

 [命の楔が1回打たれました。あと2回で効果が発動します。]

 ふふふ、攻撃しようとするなんて無駄なんだよ。

 くらえ!取っておきの攻撃を。

 [五獄の禁術闇を発動しましたが、失敗しました。]

 えっ、失敗。

 まさかMP不足とか。

 いや、そんなわけない。

 ならこれだ。

 [墓詰めを発動しました。]

 するとゴブリンの脇に魔法陣が現れ、そこから巨大な腕が出てきた。

 そしてその腕はゴブリン達を握り、地面に叩きつけた。

 そしてそこから魔法陣を出し、大きな岩をそこから出して、その岩をゴブリンのところに落とした。

 そしてその腕は両手を合わせる。

 [墓詰めにより命の楔の効果を強制発動させます。]

 [命の楔により、ゴブリンは消滅します。]

 するとゴブリンは全て塵となり、大きな岩と巨大な腕は消えた。

 「なんだったの、一体。」

 その光景を見た少女は膝を着き、呆然と元通りの景色を見てた。

 いやー強いねー。

 墓詰めっていうのは命の楔っていう効果を付与してそれを強制的に発動させるスキルなんだよねー。

 まあ命の楔っていうのはある特定の行動をすると楔が打たれて、それが3回打たれると対象のモンスターは消滅するっていう効果なんだー。

 いや正直クソこえーよこんなチートスキル。

 でもこれでいいかな。

 [スキルアサシンモードを獲得。]

 [シャドーチキンが進化します。]

 あっいつもの流れだ。

 [進化しました。]

 [シャドーチキンはハンティングバードに進化しました。]

 [進化したことにより、スキル サイレント 遠方視 透明化 魔力誘爆を獲得しました。]

 [進化したことにより、ワールドモンスターに登録されます。]

 そして私は影の中から追い出された。

 「あなたが助けてくれたんですか。」

 少女は私を見てそう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

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