第3話 私はゾンビチキンです。

 ひえー。

 あはー。

 ぎょえー。  

 なんなんだ一体。

 本当になんでこうなったんだー。


 遡ること数時間前。

 私はゾンビチキンに進化した。

 「ゾンビチキン レベル1 最大レベル1  

 HP500 MP2000

 攻撃力500 魔法攻撃力8000

 防御力200 魔法防御力9000 素早さ9000

 

 スキル 飛翔 火炎耐性 麻痺耐性 火炎攻撃 神速 空転 自動回復 リベンジモード エンカウントカース 死屍還元 月光浴 ナイトメアクリーチャー 墓詰め ドラゴンエンブレム」

 いやにしてもあんなにスキル持ってんのなー。

 私は感激した。

 人間だった頃よりも達成感があるよ。

 だって友達とかは余りいなかったし。

 それに、人生に目標なんてなかったからなー。

 というのは机の端にでも置いといて。

 まずここがどこか分からないからなー。

 第一転生場所もどこのどこよ。

 あのドラゴンがいたからもしかしてここって秘境みたいな感じのとこかな。

 はははー、まさかまさか。

 すると何処からか足音が聞こえる。

 ここは森の中。

 足音っていっても枝とかが踏まれて出た音だ。

 誰かが近くにいる。

 いや落ち着け。

 どうみたって私はただの鶏だぞ。

 そうさ、だから堂々としてても狙われないって。

 ちなみに私の見た目は腐敗臭が臭い、色は緑で片目は白く羽はボロボロである。

 うん、自然に溶け込むの意味だけどね。

 だが私はそれよりも厄介なことに出くわした。

 シャーー。

 私の目の前に巨大な青いアナコンダが現れた。

 あれ。これ私狙われてる。

 いやいやいやそんなわけないでしょ。

 そいつは細い舌で舌なめずりをし、口を小さく開く。

 えっ、まさか食うつもり?

 なんで。

 こんな美味しくもない私を食べるなんてわけないよね。

 でもさ、1番怖いのはこいつずっと見てるしあとなんか足音が近づいてない。

 とりあえず、お邪魔しましたー。

 私はそろりそろりと忍び足でこの場を去ろうとする。

 だがあのアナコンダはそれを見逃しはしなかった。

 さあにげろー。

 私は必死になって逃げた。

 そしてアナコンダも追いかけてきた。

 おい来んなよ。なんで来るんだよ。

 でも、これはひとつの作戦なのさ。

 簡単な話だよ。

 足音がする方向に走ればきっとこいつを倒してくれる。


 そして今に至る。

 おいずっとこの光景だぞ。

 森に逃げても木をばったばったと倒してんるんだよあの蛇は。

 どんなホラー映画なんだよ。

 すると目の前に人が数人現れた。

 やったー。助かる。

 やーいやーいこのクソ蛇が、さあそこのヘビを倒してくださーい。

 その時突然アナコンダの口から紫色の液体が生成され、それが光線のように飛ばされ、目の前にいた人の全員の頭を貫いた。

 おーいお前らそれでも人間かー。

 せめて対応しろよ。どんだけ人弱いんだよー。

 それにもう疲れた。

 私は立ち止まった。

 その時にもアナコンダも立ち止まり、私の様子を見ていた。

 何するんだい。

 ずっと見てるけど。

 仕方ない、こうなったら戦うしかないのか。

 まずこいつを呪う。

 「エンカウントカースにより、グロムスネークの行動が制限かつ毒になりました。」

 するとあの蛇は動かなくなった。

 ならここからこれだ。

 「死屍還元により、ステータスが上がりました。また、リベンジモードが進化 不屈の闘志へと変化されます。」

 これでラストだ。

 数時間経ったから今は夜。

 多分発動できるはずだ。

 「ナイトメアクリーチャーを発動。」

 すると私の後ろに魔法陣が出され、それがひかり、全身うずまいた化け物が現れた。

 うふぁー。こえー。

 その化け物は叫びながら蛇を強く叩き潰した。

 その後にその化け物は消え、ヘビはもはや原型もとどめない哀れな姿へと変貌した。

 私はその光景を見て振り返り、ここを去った。

 あれ、にしても今回は進化しなかったんだな。

 いやー、いつも進化してると何かと不便だからね。

 [スキル オーバーキラー獲得。]

 [進化します。]

 あ、やっぱこういうオチなんだ。

 [進化成功。ゾンビチキンがシャドーチキンへと変化されます。]

 私はどうやらゾンビ要素がなくなり、黒い闇の要素が加わった。

 [スキル 影移動 シャドウデコイ 影魔法 闇魔法 五獄の禁術闇を獲得しました。]

 [進化したことにより、ワールドモンスターに登録されます。]

 あー、まただよ。

 それに、ワールドモンスターってなに。

 まあいっか。

 

 

 

 

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