第4話 いや、やっぱりチート能力だったんですけど

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 今回は前回のあらすじなしかよ!まったくテキトウな女神だな!



「ちょっと!ほんま君、何やってくれてんの?」

いや、まじでなぜに関西弁?というか言葉通じるんですね。ご都合主義乙!


 「いやーごめんね。ちょっとこの穴から出してくれないかな」

「はぁ?それが人にモノ頼むときの態度かいな?自分で出てこいや。それに頼むんやったらちゃんと出すもんあるんとちゃうか?この穴野郎!」

めちゃくちゃ口悪!初対面の男子に穴野郎だぁ?かなり舐められてるな、俺。

「もう、そういうのいいからさ。俺はここがご都合主義世界って分かってんだよね。君でしょ、助けてくれるの?」

ムカついたから、変な口調になったな。まあでも俺が主人公ならここで助けられて当然……


 って、なにこれ!?めっちゃキモい虫が上から落ちてきてるんですけど。


「何や?その舐めた態度?ワイを怒らせたなぁ、このデカ穴!虫サンキライやったらはよ出てこんか!」

おいおいおいおいおいおいおいおい、まじでこのムカデ(?)キモいんですけど。体中這い回ってるんですけど。

このままじゃ本気で、いやこの大きさなら《デカ穴》になる流れなんですけど!

「おいやめてくれ!ごめん、謝るから、このデカイ虫をなんとかしてくれっ!」

「あぁー聞こえないニャー、もっかいちゃんと言ってニャ」

 思い出したかのようにケモミミキャラを発動するな!

 って、待てよ。この状況、俺の能力使えるんじゃないか。とにかくこの虫はキモい。何もしてこないけど本気でキモい。はやくなんとかしたい。


 いっちょやってみるか。

 頭の中で万札をイメージする。どうか来てくれ諭吉さん。

 あれ、諭吉さんじゃダメか。


 その時、一枚の紙が俺の横をひらひらと落ちてきた。

 「諭吉!!!」

 「なんてー?まだ聞こえへんでー?」

 いや、まじで諭吉来たよ。すげえな。俺の能力。なんとも不服だが。


 少なくとも諭吉はこの(ケモミミ)方言(ロリ)には通用しないことは確かだ。

そうだ、金貨だ!あの、な○う世界の金貨をイメージしよう。やはりなんとも不服だが。


 一枚、いや二枚、いやこの際、大量で!


 ドッバーーーーーーーン


 金貨の波が突然俺を襲いかかってきた。

 目を開いたらまさしく黄金。

 やっぱりこの能力はチートなんですね。


・・・・


 金貨の海の中。俺は完全に詰んでいる。

 身動き一切取れません!どうしましょう。

 とにかくあの関西弁野郎を待つしかないか。


・・・


 「あんた、すごいにゃ!」

約三時間後、俺はこのケモミミ方言ロリに金貨の海の中から救出された。

「これ全部本物の金にゃで!」

やっぱり《にゃ》付きが標準なんですね。


 「あんた、いま暇やろ、これから一緒に街行ってその金使って酒盛りしようや!あっ、酒盛りしようにゃ!」

今完全に《にゃ》、忘れてたろ、急におっさんくさかったぞ。


 でもこうしてみるとケモミミの完成度高いな。うん、これは素直に萌える。

大きなお目々もぱちくりさせて、アニメキャラみたいだな。ていうか、多分そのアニメキャラがオリジナル()か。

服は、と……


 「ちゃんと、人が質問してるんやったら答えんかいな!あっ、答えんかいにゃ!」

可愛い。あっ、今の間違いはわざとだろう。

「ごめんごめん。まだこっち来たばかりであんまり慣れてなくてさ。街?うん是非行きたいよ」

「あんた見たところ、金持ってそうやし、ワイのハズってことでOKな?あっ、OKにゃ♡」

はいはい萌え萌え

「ん?ハズ?ハズってなんだ?」

「そんなん決まってるやろ。ハズバンドや!」


「はぁっ?!?!?!?!?!??」

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