第3話 いや、ヒロイン登場しちゃってる感じなんですけど

 これまでのあらすじ(By女神)

 高校のクラブ遠征(?)中に乗っていた列車が雪崩に巻き込まれちゃった伏見慶くん!

そんな不幸な眼の前に現れたのはこの私!スーパー美人で絵に描いた女神様のような!!!

チート能力はいらないと頑なに断り続けるカレにあんな手()やこんな手()を施し、やっとのことで能力を与えちゃいました!

急にこぼれてきた『無限資本』をカレに与えて地上に堕とすっ!

(よーく考えてみたら、場所によっては雑魚能力だけど。まあチートっぽいし良いでしょ。)

いやー私まじ女神サマだわー、パネェーわー

ってなことでひねくれ小僧の異世界冒険譚#3、はっじまっるよーーー


_____________


 なんで、『これまでのあらすじ』なんかついてんだよ……俺、マジでな◯う主人公になっちまったのかよ。



 にしても、この落下中って意外と暇だな。結構ビビるもんだと思ってたけど、3分もしたら慣れたわ。どうせ地面あたりでなんとかなるんだろうし。


 いやーでも、世界、広いなー。あそこに見えんのは多分火山だよな。あんなきれいな形の富士山型の火山ホントにあるんだな。まあ日本にもあるんですけど。


 ドラゴンもちゃんと飛んでるよーー。あー、どういう原理なんだろ。揚力とかどんな風にして働いてんだろうな。



 やっぱり、ご都合主義世界観は嫌だよなー。俺が与えられた『無限資本()』もちゃんと仕組み付きであってくれることを祈る。



 そんなこんなしている内に、だいぶ地面も近くなってきた。俺は嫌々、地面に着地する姿をイメージする。

こんな要領でやれば多分魔法とかがいい感じに働くだろう。今のうちはご都合主義は嫌だとか言ってられん。とにかく生き残らないと。


 ん?全然スピード落ちる気配ないんですけど。ちゃんとこの世界のシステム機能してますか?


 うん。してないね。普通に真っ逆さまに落ちてるよね。


 いや、また死ぬの?ほんとに死ぬよ?ここじゃ貰ったスキル使えないよ?

またしても運なかったか。あの女神のことだ。どうせしょうもないミスしやがったんだろう。ちょっとしか喋ってないけど、いかにもテキトーなやつだし(偏見)


 下大草原なんですけど。森とか海とかじゃないんですけど。なんとかならずに死ぬんですけどぉぉお。


 俺の頭にアイデアが一つ閃いた。。叫んでみよう。これで、なんとか詠唱的なものができるかも知れない。というかそうじゃなきゃ死ぬ。


 よし、それじゃあいっちょ叫ぶか。


 「うわあああぁぁぁぁぁああぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁああぁああああぁぁあ!!!!!!!!」


 ドボン


 

 どうにもならなかった。頭から地面に激突。そのまま地中深くまでダーーーイブ。

 

 ん?アレ?死んで?首折れたりしてないね。

 ラッキーってこと?


 俺はどういうわけか大きな穴の底で頭を下にした妙な体勢で寝そべっている。体を起こすか。


 「アチャーーーー!!!何くれてんの?せっかくおっきい落とし穴作ってたのにーーー!」

 どこまでもテンプレというわけか……いや、関西弁?俺は顔を上げた。穴を覗き込む少女。

 「ちょっとーよ出てきて!直すの手伝ってもらうんやから」

 それもケモミミをぷいぷいさせている。


 一つ大きなため息をいた。怒りがこみ上げてくる。この作者め、どこまで俺をバカにするつもりだ。(作者とかいるか分からないけど)


これだけは言って、いや宣言して、いや叫んでおきたい。


「俺には断固としてケモミミ方言ロリという性癖は無いからなぁぁーーー!!!」

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