第三章 黒い羽の本音と真実
レイナさんと一緒に作り上げた歌は、たくさんの人の元へ届くことができ、レイナさんと僕の名前を知ってもらうことができた。お陰で多くのアーティストのプロデュースを手がけてもらったり、作詞や作曲をすることも増えてきた。本当にレイナさんには感謝をしている。
もうすぐ冬に入ろうとしている10月。レイナさんと会って2ヶ月が経っていた。
太陽が沈み、街灯の灯りや月の光が僕らを照らし始めた夜。僕はレイナさんを連れて、いつもの飲み屋へと行った。涼太がどうしてもレイナさんに会いたいとか言うから、仕方なく会わせることにした。
「お、龍友!こっちこっち!」
店に入ると涼太が僕らを待っていた。
「ごめん、待った?」
「全然大丈夫。この方があのレイナさん?」
「そうだよ」と僕は頷き、彼女の方を見る。
「えー話の通り綺麗な方だね!これで歌も綺麗でしょ?いいことばかりじゃん」
と涼太はレイナさんに惚れ惚れしている。
「ね、レイナさん。どうしてプロデューサーを龍友にしたの?」
何気ない涼太の質問には僕も興味を持ち、レイナさんの答えを待つ。
「え?それは、龍友さんが普通の人間とは違うからです」
「え?どういうこと?」と僕は意味がわからずレイナさんに聞き返したが、対して涼太は爆笑している。
「なんで涼太笑ってんだよ」
「なんか懐かしくてさ!昔の友達を思い出して」
「友達?誰?僕の知ってる人?」
「いやいや知らない人。東京でできた友達なんだけどさ、あいつも俺にそんなこと言ってた」
「それはどんな人なんだよ」
「えーとね」と涼太は東京に上京したばかりの頃の話を始めた。
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