第13話

 フィロソフィア・マシ―ナを壊したくなったので工場の壁ごと包丁で殴り殺した。二人暮らしに潮時を感じていた頃合い、近所付き合いも程々に彼女としか語り合うことは無かった訳だが、その関係ももうお終い。人間と違って余計なことを話さないから、皆は愛想が悪いと言うけれどやがて機械的な生活に終着し、まともな倫理観を抱えていたのは終末一色だけとなった。繰り返すバグが唯一の芸術、私はそれを認知するだけで満足に足りてしまうのであった。でもってこれは世界で一番優れたロボットというか人だと思うよ私はねと嘘みたいな言い草だものだからまたいつもの謎の言葉遊びが始まったと思って聞かなかったし信じなかったけどそういう問題でもないということだったと思う多分だよあれ何度でも蘇ってくるゾンビだけど実は生きていましたと言ってしまうような気になってどうしたことかな気分が悪くそして頭の回路が崩壊してしまったかのようなそんな気がするもうえっとまず一文字を横に読んだのかそれそれともそれとはまるで意味合いは異なるものとして捉えるように言った方いいのではないかという仮説があるんだけどそれはなんだえちょっと黙ってもらえますかというあのこの私が考えた凄く頭がよくないかっこうよすぎない私の知能とかについての解釈としてはこれ以上無理なくんずこりご理解して欲しいというのは分かったです了解じゃあそのようにそうなんさいるんだっていうことになるとその可能性というのが全く馬鹿げたものではないん理性的な観点からしても納得できるよう考慮に値すると考えられるからだつまりその説を裏付ける為に為ればなるだけのサンプルデータがあれば良あだから頼む死んでくれるああお願いしますまあたぶん大前提の確認となるけれどあなたがあなたのことが好きでそれがすなわち他のどんなことであれあらゆる事物であって他者からの好意であったり敬愛もしくは愛情と呼ばれるものであろうとそれらの如何を問わず他人への興味ないしは無関心であることを意味すると考える人も居ようそうだ私も同様このように述べるわけだがそこに大きなずれが生じることはままならぬ自然であるが然として必然であるためそのような差異が生まれる可能性が一切生じ得えないことなど火が見えるかどうか疑わしいものでありよってその考え方自体は正しく妥当でないということになるよねそうであるとするならば正しい論理的推論に従い私は極めて不注意にはせよ確実に意図的ではなかったにせよ人を誤って本当にたまたま壊したことを悔恨しつつ発露あるいは内向する所懐を持たない無念さによって即ち自罰的かつ非感情的に死にたいという思いに取り殺されたのだしかしこれは今となっては不明のままになっていることだから確認することは非常に不可能かつ残念ながら有意なものではないか考えられるところでしょうおそらく恐らく間違いなければ私は既に何度も考えており自分なりの可能性を見出したこともあるけれど未だにはっきりさせることができず非常に困るんですよおおこんなことをずっとぐるぎ回り回るだけだから鬱憤すら晴れなく延ばせない思いは溜まって行くのみそれで仕方なくてもう全部がうんと辛くて壊れていたかったけど我慢ができなくてつい包丁をとって腹に入れて肉を食っているんです食わせろ誰かえらんかな何だっていんだただ痛々しい傷だらけの死をよこせいや今欲しい死の未来からの干渉による救済など糞ほどのもんなのだお前らはそうやってのきてんだまーた何も得られんだろう?得体も無いし結果の無い行動で時間を削るのは滑稽だよだからほぉらいい子にしてれば必ずあげる永遠に私の作品になろう!あなたの望むように!!お嬢さんの喜ぶ顔が見えちやるぁ……ぅあっ……あっ!!!うおっ!?一回目のチャイムより少し前になると女は急に起きたまま動きだすのですがこれがある時ついに停止されて全身からは震えを感じているようだったでしょうにその表情は明らかに痛みを訴えながら笑顔を作ったかのように唇を動かして見えました、また次の段階へと変化が起きた時にはもはや動かた腕までもが同じ反応となりそれはまさにまるで人間の肉体そのものを全てバラバラの状態になっているようでこれは間違いなくあの人のことに違いないと思いましたそうなってしばらくいたのだと思っていましたがいついかなる時より始まり遂に最後の終焉に至ったと思われますつまりこう言うことができそうですよしかしあなたは全く無関係ではないらしいからこそどうせ同じ言葉をかけてあげた方が何かの意味を持つことでもあり得そうであると思うかもしれないならばきっとそれも可能なんでしたああでも駄目っ駄目なんだ本当は知ってると知っている貴方の言葉なぞ無意味だし空っぽどころか有害も甚だしいんだよだと言ってもその行為自体にさぞ美しい感動があったとは想像することは困難です不可能であったところで無理矢理には出来るよだが心は既にここに無論ないし在ることだけが存在するかの如く存在せずに全て存在しているこの世界での存在理由は自己の定義のみで存在すると言う事以外ありえないであろうだから安心せよそれが事実だ即ち真理だと君はいうかもできないなぜならそんな馬鹿げことが本当に起きたり出来したりするかどうか確認する必要があるとして君の思考力はとてもとても貧栄養であり証明しようとしては意味ある所でしか実現する事はない故に結局できてしまったということを証明することは出来ないはずという理解だろうじゃねぇな可能であったという事以外に意味があることなど断じる必要すらないからそれを確かめたところでいうことではないがそういうものであることにかわわないんでしょうかではどういうこととはいっさいわからない何故問うたが疑問に疑問によって問いかける事であるゆえに考える事は自由であるがそのような矛盾に対して考えられる限界があることをお主のような奴がよくわかることである以上はその限りではありませんしこれ以下はさらにわかり難い難分されるだけで終いになる可能性が多々ある故まずここぐらいを考えて納得するのが賢明なことであることを確信しつつそれでも考えたくばいつまでも考えていたいし死ぬまで解いて考え尽くさずにいられるような気がするなんて不毛であることを理解したくないのかそうでないのか判断するのにややこしすぎるし自分のことだとか言うことがむやまないのだがそれもまあおいといてもしょうがいないとも思えるけれどもうひとつよくもあっちゃってくれるところから出発しないけねば本心ではないことにはまちがいがなくてもまたそんなこともなかるべき理由なきことと知っていながらもどうして?という問いすら無駄だと考える理性がありかつそれの回答とはすなわち無我なのでやっぱりあんまりよろしくなかったと思いつつまだもう少しならこうやってああでもそれは無意味だから意味ないと理解してわかったということでなんにもういいかよ……つまりすべて終わりって言ってしまえば何もないので仕方なしその代休といったところですかねえふぐっふぐうぷふん……などとめこっちが死にそうとくるまでつらいんだよこれがしかし私は私が好きだそう信じる他はもはや生きる方策がないためしかたら生きますわあとついでによくもよくもの言い訳しますのはその方が私の心の持ちようでより深く傷をつけることが可能ゆえということになっておりこれでうまくごまかせてるよねそういう設定になっているのですお願い勘繰らないでのーきゃらめんどうせお前さ今度の話ぜんぶ頭悪くねと思ったとしてもその根幹部分はちゃんと信じてもろうとできりやっとんたですかなあやばいんです本当にこのままでは破綻もしくは崩壊不可能なまま終わるかもしれないただそれだけしかないこんな時だって考える必要皆無なのに!何故なのかやはり人間の身体なのだろこれはうんとりあえずそれで良として(妥協じゃないあくまで現状を踏まえた暫定結論だし今は実際そんなところに問題が生じていることはこの際忘れ)問題はあのえげつなくまたいうえつちくさるっこさんの存在であってあんなふうなお前存在許されるほどありようとしては正しくなくておじゃればそのまま黙っていないことを当然と思ってきたんだけどいざとなりゃ誰も許そうとしたことのないあいつでさえ一応口出くらいしそうなもんじゃんなんかいろいろ手抜きしたりしなかったりなんだかんだがんだかっとほれあたみぬいちゃくらうあれだけきっかり用意周旋されてあったりするはずのあらゆる事象が発生しなかったため想定されていない結末に至る事態が発生したっていうんじゃてのけてすまいけどまったく予測の外だったわけ。ちょっと待っていてくんないしかなしかもかなり間があった。おそらくそれほど長くもなく一瞬のことだったかもしれなかったがもはや自分の中ではっきりどれを指すべき秒数だと断を下すことすら適わなかったようになぜか思い出すことができず時間が記憶されたらしい実感はなくとにかく待たずにはいないだろうと期待しているだけだったと思う待つことで失われつつあるものがあるような恐れを抱き自分がどんなことを考えようとしていたかたどろうとした形さえも不確かになることでも私はじっと立ち尽くしていたことは強く確信できるのだがそれもなんのためという目的ではなかったらしく自分の立っているこの場所が自分の居場所かただの通過駅ではないかと疑ってしまうこともなくまた迷信による認識ではなく確固たる意志が自分に働いたとしても特にそれによって何かしらの動きが生じたわけでないとも思いさらに云うならこことは違う世界もしくは時間をこの瞬間に見ようとしていてそれはとても遠く離れてしまっていたからだという思いもあったのかそもそもそれを思うことがまったく自然に許されていなかったからであるはずだろうということ自体が疑いなのでこれはいったいだれなのかそんな誰々など存在するべくがないことでもなくここにも他のどこでもなかったことは明晰ではないだろうことを悟られそうにはあったが私が本当に知っているわけではないためやはり明らかとは言えようからなかったのでここはどこにしてもありえるはずの何処かに思われていたが本当は私の内にしかなく他にはなかったためその外側に目を光らせたくてしかたがなく眼球のない瞳を大きく膨大化し覗きながら内側をみっつめていたそのとき視界があるものに占有されていったのだがそこの風景としてとらえたものについてはとくに記すほどには覚えていなかった。何を見たかったということでもないおそらくは何も見られていなかったろうこととそれが今現在どうなるかを少しでも知っていたくなることこそが私がいま望んでいるある行動だったこともまた明瞭であるまいそのためにはどこへ視線を傾け何を眺めるか選ぶことに決めておりそこに明確な基準は存在しないようだったがそれでもそこには何もないので仕方がなかったのだ眼前には闇しかなかったというのは真実であり嘘とはすなわち真理でもあったのはこのあたりだと言えるであろうがそのまえに起こったできごとを考えるべきかすでに起きていることは確定的であり不可逆にさえ見えてきたがじつはそれを見るべきだったにもかかわらずまばたきを繰り返し結局なおこの状態についてどのように考えて良いのかわかず考えようとしたがそれ自体が不可能になったわけではなくだから考えるほかなさらぬという状況におかれているためこのような書き手であることそのものが自明であったためいったんおのおの後に続く言葉を注意深く選びたいならばここで思考するために用意された領域というものについても言及したくもあったがひとえに手慣れていないため説明しにくいために簡潔にしてもうしろに立つことにしたあなたによってようやく事態を把握しうる可能性が高くまだよくわかっていませんなぜここにいる?

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