第8話


道中ハナは目を瞑ったままだ。しんどそうだ。

ニーニたちは花畑に到着する。

三日月のもとに綺麗に花が咲き誇っている……。


ニーニ

「着いたよハナ」


ハナは瞼をゆっくりと開く。

そして彼女は周りを見渡す。


ハナ

「綺麗……」


ハナは小さな弱弱しい声でニーニに話しかける。


ハナ

「ニーニ……ありがとう」

「私……ニーニに会えて良かった……」


ニーニ

「ハナ……僕もだよ」


ハナ

「ゴホッゴホッ!!」


ハナは咳をし、血を吐いてしまう。

そしてハナの表情はどんどん青ざめていく。


ニーニ

「ハナ!!」


ハナは咳を抑え、何とか喋ろうとする。


ニーニ

「もういいハナ。無理に話そうとしないで」


ハナは思うように体が動かなく、話すことすら出来ない。

ハナは最期にニーニの手を強く握る。

ニーニもハナの手を優しく受け止める。


ハナはニーニに顔を向け、そして何かをニーニに伝えようと口を開く。

ハナは目が虚ろになり、動かなくなってしまう。


ニーニ

「……ハナ?」


ハナはピクリとも動かない。

ハナはもうすでに呼吸を止めていた。


ニーニ

「ハナ……ハナ!」


ニーニはハナを抱きしめ、涙を流す。そして嗚咽が漏れ、その場で泣き崩れてしまう。


暫らくしてニーニはハナの瞼を優しく片手で閉じる。

そして彼女を花畑に降ろす……。


ハナの懐からノートが落ちる。

ニーニはノートに気づき、それを拾い上げる。


ニーニ

「ハナ……」

「ごめんね……助けてあげられなくて…」


ダアアアアアアアン!!


突然、ニーニの左肩に銃弾が撃ち込まれる!


ニーニ

「!?」


ニーニが振り向くと、そこには銃を構えたダキヤがいた。


ダキヤ

「貴様!!」

「娘から離れろ!!」


パアアアアアンッ!!


ダキヤは銃爪を引き、もう一発ニーニに縦断を撃ち込む!


ニーニ

「ぐああっ!?」


「待ってくれ!!これは違う!?」


パアアアアアンッ!!


ダキヤはニーニを容赦なく撃っていく!

ニーニは堪らず、その場から逃げ出す!


ダキヤ

「逃がすか!!」


ダキヤは引っ切り無しにニーニを撃ち続ける!

ニーニは茂みの中へ逃げ込み、姿を晦ます。


ダキヤは発砲を止め、ハナの側へ駆け込む!


ダキヤ

「ハナ!!」


ダキヤがハナの上半身を両手で担ぎ上げる。


ダキヤ

「ハナ!!ハナ!!」


ハナへ呼びかけ、肩を揺らすものの、ハナは返事が無い。

ダキヤはハナの胸元に顔を寄せる。


ハナは呼吸をしておらず、また彼女の心臓は止まっていた。


ダキヤ

「ハナ…ハナあああ……」


ダキヤはハナを抱きしめ、泣き崩れる。


ダキヤ

「ううう……許せん……許せん!!」


悲しみのから怒りの感情がダキヤを支配する……!

ダキヤは銃を強く握りしめ、ハナを抱えて車に載せる。


ダキヤ

「ハナを殺したレギオンは巣へ戻ったはずだ!」

「ハナの仇……ハナを苦しめたレギオン共を一匹残らず皆殺しにしてやる!!」


ダキヤは鬼の表情でレギオンの巣へと向かっていく……!

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