第7話
ニーニはハナがいる病院を探す。
いつもハナがやって来る方角へ走っていく。
山道を辿っていくと、建物が一つ見えてきた。
その建物の門の側まで辿り着く。
ニーニ
「レグノ病院……」
ニーニは門に書かれている文字を読み上げた。
ニーニ
「ハナがいる病院はここか?」
ニーニは門の柵をジャンプして超える。
そしてコソコソと建物の2階のベランダへ飛び乗る。
ニーニは窓を覗き込み、ハナがいないか確認する。
ニーニ
「中に入ろうと思えば入れるけど……」
「入ってバレたらそれこそまずい……」
ハナの匂いを頼りに探してみよう
ニーニは鼻をきかせ、ハナを探す。
一方ハナはベッドの上でうなされていた。
高熱でもがき苦しんでいた。
ハナ
「苦しい……苦しいよ……」
「……パパ……どこ?」
ハナは周りを見渡す。
視界がぼやけており、意識も朦朧としていた。
コンコン……
どこからか物音が聞こえる。
コンコンコン……
ハナは窓の方へ目をやる。
すると、そこにはニーニの姿があった!
ハナ
「ニーニ……!?」
ニーニ
「ハナ!」
ハナはなんとか体を起こし、窓を開ける……。
ハナ
「ニーニ!?」
「どうしてここに!?」
ニーニ
「ハナが心配で来ちゃった」
ハナ
「ニーニ……ごめんね」
「ずっと行くことができなくて……」
「ゴホッゴホッ……」
ハナは咳き込みだす。
ニーニ
「ハナ!?大丈夫!?」
ハナ
「ニーニ……お願いがあるの」
ニーニ
「何?なんでも聞くよ!」
ハナ
「私を……私をここから連れ出して……」
ニーニ
「それは……無茶だ。そんな状態じゃ動かない方がいいよ」
ハナ
「私はもうながくないの……」
「もう……死んでいくのがわかる」
ハナの目からポロポロと涙がこぼれていく…。
ニーニ
「ハナ……落ち着いて」
「大丈夫だよ。絶対良くなるから」
ハナ
「違うのニーニ……」
「私もう……」
ハナの目から涙が溢れていく…。
ニーニ
「ハナ!?」
ハナ
「最後に……もう一度…あの場所に……」
「もう一度あの花畑に行きたい……」
「お願いニーニ」
「私をそこに連れて行って……」
ニーニ
「……!」
ニーニは悩んだ。人間の助けを呼んでハナを助けた方が良いのではないかと悩んだ。
しかし、ハナは見るからに苦しそうだ。
本当にこのまま息を引き取ってしまうように見えた。
ニーニ
「……ハナ。わかったよ」
ニーニは決断する。彼女の意志を第一として動くことを。
ニーニはハナを担ぐ!
ニーニ
「行こう。もう一度あの場所へ」
ダダダ…!
ニーニがハナを連れ出そうとしたその時、
ニーニとハナの前に警備員が2名現れた!
警備員
「おい!貴様!!」
「何をしている!?」
ニーニ
「まずい…見られた!?」
ニーニはハナを抱えたまま、窓の外へ出る!
警備員
「おい!待て!!」
ニーニは建物を飛び越え、そして木々を渡って花畑へと急ぐ!
警備員は窓から身を乗り出すものの、すでにニーニは病院の門の前まで進んでいた。
ニーニはハナを背負いながら、花畑の方へ向かっていく!
警備員A
「おいおい…まずいぞ!!」
「あれは…もしかしてレギオンか!?」
「どうしてレギオンがここに!?」
警備員B
「いいから早く警備隊に連絡だ!!」
「それから……ダキヤさんにも!」
彼らは至急、警備隊に連絡し、そしてハナの父ダキヤにも連絡を入れた。
ダキヤは仲間と共にレギオンの巣へ向かっていた。夜襲を仕掛け、レギオンを根絶やしにする作戦を実行していたのだ。
ダキヤのもとに着信が入る。
発信元はハナの病院からだ。
ダキヤ
「何だどうした!?こんな時に……」
警備員
「ダキヤさん!大変です!!」
「娘さんが…!」
ダキヤ
「ハナに何かあったのか!?」
警備員
「はい!たった今、何者かに拐われていきました!」
「その拐ったものはレギオンと思われます!」
ダキヤ
「なっ……?何だと……!?」
マーカス
「おい。どうしたダキヤ?」
ダキヤ
「すまん!娘がレギオンに拐われた!」
「俺はハナを連れ戻しに行く!」
マーカス
「おい!ダキヤ!!」
ダキヤは銃を抱え、病院の方へと走り出した!
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