第6話
ニーニと花畑に行った翌日、ハナは体調を崩していた。
午後には発熱し、徐々に息苦しくなっていった。
そして夕方には更に熱が上がり、そして過呼吸に状態になっていった。
ハナはあまりの苦しさにナースコールを押す。
薬を処方し、そしてこの日は看護師が付きっきりで看病を行い、
無事にこの日を乗り越えることができた。
一方、ニーニはいつもの場所でハナを待っていた。
ニーニ
「遅いなハナ」
何時間待ってもハナは来る気配が無い。
ニーニ
「何かあったのかな……?」
「昨日咳き込んでいたし……体調が悪くなったのかな」
ニーニはこの日、早朝までハナを待ち続けた。
しかし、ハナはニーニのもとに来ることは無かった。
翌日、ハナの父ダキヤがハナのもとへ訪れる。
ダキヤ
「ハナ!!」
ハナ
「……お父さん」
ダキヤ
「大丈夫か?苦しくないか?」
ハナ
「……うん。今は……大丈夫」
ハナは弱々しい声で返答する。
ダキヤは娘の様態の変化におどおどする。
どう声をかけたら良いか、わからないでいた。
ダキヤ
「何か食べたいものとかあるか?」
ハナ
「……ううん。食べれそうにもない」
ダキヤ
「そうか……」
ハナ
「お父さん……」
ダキヤ
「なんだい?」
ハナ
「私……死んじゃうのかな」
ダキヤ
「馬鹿言え!大丈夫だすぐ治る!」
ハナ
「……体が……動かないの」
「このまま……目を閉じたら……死んじゃうんじゃないかって……」
ダキヤ
「ハナ……」
ダキヤはハナの手をそっと握り、語りかける。
ダキヤ
「大丈夫だハナ。お前が思っている以上に軽症なんだ」
「安静にしてればすぐ治る」
ハナ
「……うん。わかった……。」
しばらくしてハナは眠りについた。
ダキヤの言葉にホッとしたのか、ハナはのパニック状態から落ち着いた。
ダキヤ
「……先生。ハナは……」
先生
「ええ。このまま安静にしていれば大丈夫かと」
「数日もすれば、回復へ向かっていくでしょう」
ダキヤ
「……そうですか。安心しました……」
この日もハナはニーニのもとへ訪れることができなかった。
ニーニはただ一人、ハナがやってくるのを待っていた。
ニーニ
「ハナ……」
「もう……会えないのかな」
ハナは夜中に目を覚ます。
ハナ
「はっ!?」
時計に目をやる。
もう夜の5時を回っており、朝日が登ろうとしていた。
ハナ
「こんなに寝てしまったの……」
「ごめんねニーニ……」
ハナは心の中でニーニに謝罪をする。
ハナ
「今日の夜はニーニに会いに行こう……」
しかし、ハナの様態はこの日を境に更に悪化していった。
熱が昨日より上昇し、彼女は息をしているだけで苦しい状況に陥ってしまった……。
結局この日も外に出ることはできず、ずっと病室で寝込んでいた。
ニーニ
「……ハナ」
「きっと良くないことがあったんだ……」
「明日も来なかったらどうしよう」
ニーニはひたすらいつもの場所でハナがやってくるのを待っていた。
次の日も次の日もひたすら待ち続けた。
ニーニ
「……このままじゃ駄目だ」
「ハナに会いに行こう……!」
ニーニは決意する。
ハナのいる病院へ行くことを心に決めた。
ハナは意識が朦朧とした中で、ベッドに横たわっていた。
「死にたくない」
彼女は死ぬことの恐怖に歳悩まされ、ひどく枕を濡らした。
彼女は立ち上がれないものの、なんとか上半身のみ起き上がり、震えた手で日記を書く。
ハナ
「ああ……パパ…ママ…ニーニ……」
「助けて……」
一方、ダキヤは仲間たちとともにレギオンの巣を探していた。
マーカス
「ダキヤ。お前元気無いな。どうした?」
ダキヤ
「いや……実はな」
「娘の様態があまり良くないんだ」
ジン
「そうなのか…。それなら今日は早く上がれよ」
「俺たちだけで探すから」
マーカス
「ああ。どっちにしろ見つかりそうに無いしな」
ダキヤ
「そうか……。すまない。それなら言葉に甘えて……」
ガサッ……
ダキヤは草叢の方へ顔を向ける!
すると、そこには白い甲殻のようなものが、
微かに草叢の中から見えた。
ダキヤ
「おい……」
マーカス
「どうした?」
ダキヤ
「そこに……」
ダキヤが銃を構えた瞬間、草叢からガサガサと音が聞こえてきた!
ダキヤの目に一匹のレギオンが歩いているところが映る。
ダキヤ
「そこにレギオンがいやがる!」
マーカス
「何!?」
ジン
「追うぞ!!」
ダキヤ
「まだこちらにバレていない…尾行するぞ」
「きっと奴は巣に戻るはずだ」
ダキヤたちは草叢の中へ足を踏み入れ、レギオンの跡を追いかける!
山道を歩いて約10分。レギオンを尾行した先には、大きな広間が見えてきた。
ダキヤたちは木の背後に隠れ、レギオンを凝視する。
そして、彼らは見つける。大勢のレギオンが広間にいるところを。
マーカス
「ビンゴだ……」
ダキヤたちはレギオンの巣を見つける。
ジン
「思った以上に数が多いな」
マーカス
「俺たち3人だけでは駆逐は不可能だ」
「明日、ナタリアたちを連れてここを駆逐しよう」
「一旦引き上げるぞ」
ダキヤ
「了解」
ダキヤたちはその場を後にして、一度自拠点へと戻っていった。
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