異世界難民キャンプ
ふしたくと
異世界不適合者の末路
さとう君「やった!夢の異世界転生だ!!」
さとう君は死んで異世界に転生したのだった。
ポッピー「あ………また転生人来たん?」
さとう君「また?」
バフォーマ
「困るよねえ………知らず知らずのうちにどんどん人が増えてしまって」
「なんか流行ってんの?君らの世界で死んで転生するの」
さとう君「いや………流行って……るのかなあ?」
バフォーマ「いい加減転生人の移入を断らないと食料も仕事も無くなっちまうよ」
ポッピー
「なんかさ……転生人って皆自分が特別な存在だと勘違いしてくるんだよね……本当にアホらしい」
「勝手にうちらの世界に来られても困るんやけどほんま不法侵入やで」
「パスポートみたいの作った方がええんちゃう?」
バフォーマ
「いいねーパスポートー」
「入国審査も無しに来られてもね・・こっちもたまったもんじゃないよ」
さとう君「あの・・・ボク以外にもこの世界に転生してきた人っているんですか?」
ポッピー
「自分今まで何聞いてたん?」
「今うちの世界でお前ら転生人が溢れかえって困ってんねんで」
「もはや社会現象やで」
さとう君「そうなんですか……てっきり僕だけだと思ってたのに…ちぇ」
バフォーマ「自分1人の方が良いのか?」
さとう君「うん!だってさ異世界転生っていったらチート能力があってハーレムになって人生蔓延じゃん」
バフォーマ「でたよ……」
さとう君「え……?」
ポッピー
「前来た奴もそんなこといっとったな……お前ら何期待してこの世界に来てんねん」
「あのな……お前ら異世界人が勝手にここに来て勝手にチート能力使ってこの世界を荒らしてんやで?」
「ちったあ周りのことを考えてみろよ」
さとう君「それはそうかもしれないけど……でもそのチート能力で世界を救ったり、ビジネスしたりこの世界に貢献することだってできるじゃないか!」
ポッピー
「あのなあ……何で俺らが汗水流して世界に貢献してんのに、何でお前らが何の努力もなしに活躍できるん?」
「こっちとしたらたまったもんじゃないよ」
「お前らが成功した裏にはお前らがいなければ成功したかもしれへん奴がたくさんおるんやで?」
「ほんまチート能力なければしょうもないくせによ」
バフォーマ
「んだんだ」
「こないだ転生してきた奴もチート能力はあるだけでマジ使えんかったわ」
「なんというかこんな幼稚な奴がなんでこんな能力があるのかわからんのよ」
ポッピー
「大体異世界転生してくる奴って前の世界で大した実績も無い根暗やらニートやらが多いんだよな」
「そもそも前の世界で上手くいかない奴がここに来て無双されても納得いかないんやけどな」
「というかお前ら何で異世界に来たがるん?お前らの元の世界どうなってんやマジで」
「こんだけ異世界転生したがる奴が多いってどんだけブラックな世界だよ」
バフォーマ
「いや聞いた話によると割とこいつらの世界もかなり平和らしいがな」
ポッピー
「なんで平和なのにこの世界に来たがるんや?」
バフォーマ
「多分社会から外れた奴がここに来てるだけじゃね?」
さとう君「……」
ポッピー
「ああ確かにこの前骸骨の魔王に転生したおっさんもニートやったしな…」
「その前もスライムに転生したおっさんも女性一人抱いたことないしょーもないおっさんやった」
バフォーマ「おっさんばっかじゃねーか!?」
ポッピー「ところで自分いくつなん?」
さとう君「えっと……に…20歳です!」
バフォーマ「ああまだ若いな」
ポッピー「何でこの世界に来たん?」
さとう君「えーと…確か……忘れました」
ポッピー「ほんまかいな・・・・・」
さとう君「はい……」
ポッピー
「ああだこうだ言ってもしゃーないから、まず公園に行って難民キャンプ行って来いよオラ」
さとう君「難民キャンプ?」
バフォーマ
「最近転生人多いから受け入れ先がねえんだよ」
「そこで転生人が集落つくってそこに暮らしてんの」
さとう君
「ええ!?そんな」
「嫌ですそんなところ!?」
ポッピー「ならここで死んでまたどっか転生しいや」
さとう君「そ…そんな!?」
ポッピー
「お前ら転生転生ってそんなに甘くないで?ちったあ現実見ろやボケ」
「どうせお前みたいなやつは自分探しに旅に出ますって言って実際に旅に出たら帰りてえっていう
20代のOLみたいなもんだろ?」
「さっさと転生していけや!」
さとう君(何でOLって言葉知ってんだこいつ……)
バフォーマ
「まあ難民キャンプはあっちにあるから行って来たら?」
「俺らは仕事あっからよ……じゃあな!」
ポッピーとバフォーマは去っていった。
さとう君
「あれ……なんか思ってたのと違う……」
「これからどうなっちゃうんだろ」
さとう君はとぼとぼ歩き、難民キャンプへ向かっていった。
異世界難民キャンプ ふしたくと @hukurai
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