第9話 遠い……

 ずーっと広がる畑の中に、ちょこん、ちょこんと家がある風景。


 隣の家まで1kmという、なんというかまぁ、北海道らしい景色が見たい人にはオススメですよ、という地域に住んでいるので、何もかもが遠い。小学校も中学校も家から5~6km。郵便局も病院も、コンビニもスーパーも、とにかく遠い。最寄りのイオンが40km先……。広過ぎるだろう、北海道。


 郷里はとにかく狭い街だったので、実家から駅前までの1.2kmに幼稚園から高校まで全部揃ってて、郵便局、銀行、スーパー、コンビニ、総合病院もあります。。1日で全部回れるので、とにかく生活がせわしない。ちょっとでも時間を無駄にするものか、と思いながら走る走る。

 

 一方、この辺の人は、急がない。2つ用事が済んだら上等だろう、みたいな感じの人が多いように思います。なんていうか、ゆ〜っくり時間が流れてる、みたいな。だってドライブしてる時間の方が遥かに長いんだも〜ん。みたいなテンションですかね?


 ある日高校の同級生から電話がかかってきて、

「久しぶり〜。今、北海道にいるんだけどさ、会えない?」

「どこにいるの?」

「ニセコ」

「……いや無理かな」

 遠すぎて無理だと告げると、

「そうか~残念」

 と言って電話切ったんだけど、遠いのよ。本当に。ニセコ行くなら、いっそ羽田集合にしてくれた方が近い。羽田までなら飛行機で2時間位。友よ、ニセコ行こうと思ったら、4時間以上かかるのだよ。

 後日、その友達からメールが来ました。

「緋雪ちゃん住んでるとこ行こうと思ったら何時間くらいかかりますか? ってタクシーの運転手さんに聞いたら、『うーん、8時間?』って言われた〜。ホントに遠いんだね~」

 いや、8時間はかからんわい、流石に。


 夫の友人(ドリカムファン)からも、

「今日札幌ライブ行くからさ、明日、池田町まで行くわ。で、夕方までにこっち戻ってきて二日目のライブ行くー。途中会える?」

 ってメール来たことがあるらしく、

「お前、北海道、ナメてんだろ」

 と返信しておいたそうです。


 日本地図で北海道の上に本州を乗せてみてくださいね。

 北海道、ホントにでかいことがわかると思いますよ。

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