第5話 言葉
これだけ離れていれば当然言葉も違います。そもそもイントネーションが全く違うので、娘と話す時には郷里の言葉、夫と話す時には標準語に近い北海道弁、義両親と話す時には、なんちゃって北海道弁を話すようになりました。
てか、北海道も広うございますから。
こっちの方は、「なまら」とか「したっけ」とか私が想像していた北海道弁は使いません。それでも、「ごみなげる(ごみを捨てる)」とか「こわい(疲れた)」とか「鼻つっぺしとけ(鼻に栓しとけ)」とか……ちょいちょいわからない言葉もあって、「?」ってなること度々。
以前、病院に入院した時に、看護師さんが来て、乾燥からか喉が涸れていた私に、
「どしたの? 喉いずいの? 体こわくない?」
って聞かれたり、先生に、
「そうか〜、あずましくないんだね〜。」
って言われた時に、いや、ごめんなさい、それ、どういう状態かわかんないです。なんてことがあったり(「いずい」と「あずましくない」は未だによくわかりません)、洗濯室から干していた洗濯物を取り込んで部屋に持ち帰ってた時に、向こうから来た人に、
「あ~、洗濯物干ささってた〜?」
って言われながらすれ違い。
「あ、ええ、あ、多分」
って曖昧に答えたけど、干ささる? 干してある? いや、干してはあったけど……。
どうやら北海道弁には、未知の自動詞があって、「干ささる」は、干されてある=乾いてる、という意味だったらしいです。あとよくあるのが、スマホをいじってるときに、うっかり電話のとこ押して相手に繋がってしまい、「ごめんごめん、押ささった」というパターン。「勝手に指が押してた」みたいな意味ですね。「干ささる」も「押ささる」もなんていうか、洗濯物側、ボタン側から見た言葉のようで面白いなと思います。
時々、
「いやぁ、あん時は、ぼっこ持ってこっこ追いかけたんだぁ」
ってのもあって、最初のうち、それは何をどう追いかけている状態? ってなったり。棒を持って(牛の)子供を追いかけた話だったようです。
「いや、私、そっちの色のがいいわぁ。ばくりっこするか?」
はい? 何をどうする? すると私の持っていたのを取って、義母様の持っていたのをのくれる。あ。交換するってことか。「ばくりっこ」=「とりかえっこ」だったようで。「ばくる」=「とりかえる」という意味があるようでした。
っていうか、方言なんか手探りですよ。うちの娘には、変なところで方言トラブルを起こさないように、標準語を叩き込んであって、言葉で誤解されそうになるくらいなら標準語喋ってろ、と教えてあります。
まぁ、北海道弁、標準語でずっと生活していると、郷里に帰省した時に、友達に、
「緋雪ちゃん! ●●弁を思い出せー!」
って言われます。勿論、郷里に戻れば自然と戻るんですけどね(笑)。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます