No.01

「よし、こんなもんだろ」


手に持っていた掃除用具をロッカーに仕舞い、綺麗になった教室を見てそう呟いた。

疲れた体をほぐすようにグッと腕を伸ばす。

ったくあの担任め、日直だからって理由で教室の掃除押し付けやがって…そんなんだからそろそろ40代だって言うのに彼女いねぇんだよ。

しかも放課後の教室ってエアコンつかないからくっそ暑いし…取り敢えずあの担任には一生彼女が出来ない呪いでもかけておこう。


「うっし、帰るか」


戸締まり確認をして教室の鍵を閉め、鍵を直しに職員室へと向かう。ここから地味に遠いんだよな職員室。


◇ ◇ ◇


「あ、お疲れ優也。今帰り?」

「げっ…」


職員室へと向かう最中、部活のユニフォームを着た馬鹿園部と遭遇した。話しかけられて思わず顔をしかめる。

面倒臭せぇ…と言うか何でこいつここにいるんだよ、サボりか?


「サボってる訳じゃないよ。先生に呼ばれて職員室に行くところ」

「おい、ナチュラルに心を読むなよ」


ナチュラルに心を読まれたことに対してツッコミを入れる。

勝手に人の心を読むなよプライバシーの侵害だぞ。


「いや、顔に書いてたから」

「勝手に顔を見るなよ吐き気がする」

「そこまで言う?!と言うか酷い!」


あ"~もう面倒臭せぇ…無視してさっさと職員室行こ…。

隣で騒ぐ馬鹿園部を後目に職員室へと向かう。


「あ、待ってよ。僕も行く」

「何で付いて来るんだよ」

「だって職員室に鍵返しに行くんでしょ?なら目的地は一緒じゃないか」

「先生に呼ばれてんだろ。俺に構わず早く行けよ」

「良いじゃん一緒に行こーよー」


無視して早歩きで離れようとするが馬鹿園部も早歩きで近寄ってくる。

離れるために歩くスピードを上げるが馬鹿園部も負けじとスピードを上げて追い付いてくる。

こいつうぜぇ…何で付いてくるんだよ、ストーカーか?


結局、早歩きの馬鹿園部を振り切ることは出来ず、職員室に着いた頃には精神がへとへとになっていた。


「疲れた…」


「僕こっちだから」と園部が離れていった後、思わずそう呟いた。

まじであいつ何でこんなに構ってくるんだよ…そんなんだから余計関わりたくなくなるんだよな~…。


愚痴を溢しながら鍵を返してさっさと下校する。

昇降口から出た俺の頭上で輝く太陽の光は朝から依然として変わること無く俺のやる気を奪って行く。


(あっつ…今何時だ…?)


スマホを開き今の時間を確認する。

今は…16時10分か。終わりのSHRが15時20分に終わったから…え、もう1時間も経ったん?まじか~…のんびりしすぎたな。


「さっさと帰…ん?メールきてる」


スマホを閉じようとしたら、メールボックスに一通のメールが届いていることに気付いた。

誰からだ?自慢じゃないが俺のメルアド知ってる人は家族を覗いて3人だけだぞ。


「っと五十嵐いがらしさんからか」


どうやら知り合いの本屋の店長からのようだ。

あの人生を本を読むことに費やすような人がメールなんて珍しい。一体何の用だろうか。



件名:届いたぞ

送り主:五十嵐

内容:少年が予約していた「星花」の最新刊、店に取り置きしてあるからまた時間がある時にでも取りに来い。


「あ、届いたんだ」


そう言えば発売日今日だったな、色々あってすっかり忘れてた。主に馬鹿園部のせいだが。


(時間はあるし帰る前に取りに行くか)


そう思った俺は、本屋へ向けて歩き始めたのだった…。



………後書き………


最後まで見てくれてありがとうございます!作者です!

更新遅れて本当にすみません!

学校の授業とかで忙しくて…まぁ、聖遺物の厳選してたのが一番の理由ですが…はい。

後は一回書いた後見直して、修正作業をしてたら遅くなってしまいました…。


まだまだ至らぬ所はあると思いますが、更新は続けるのでお楽しみに。


コメントや良いね、フォローとかしてくれるとモチベが上がるのでよろしくお願いします!


次回は明日の19時投稿予定!お楽しみに~。





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