ひとまずの完結を

 あとがきまでお読みいただき、ありがとうございます。


 作者にしては珍しく、おまけ話が最後につかないで終わる作品となりました。初めからこの話数で終わらせるつもりで書き始めたので、最後は少し詰め込み気味になってしまいましたが……(= =;)

 とはいえ書籍化も決定したので、お礼のお話は今後可能なら上げていきたいなとは思っています。

 ただ一旦完結とさせてください。実際にはここまでで終わりにする予定でしたので(^^;)


 今回地の文をトリアの口語口調のままで進めるという、新しい試みをしてみました。おそらく苦手な方もいらっしゃるだろうなとは思ったのですが、一度やってみたかったのです。

 個人的には地の文でもおふざけができるので、割とテンポよく書けて楽しかったのですが……どうでしたでしょうか?


 幽霊と王子という異色の組み合わせがテーマだったので、令嬢に戻った後のトリアはあまり長く描きませんでした。そのため最後にちょこっと出てきただけですが、彼女には実は兄もいます。アルージエの名を継ぐに相応しい剣の才能を持つ、強いお人です。こちらは兄妹仲はとても良いです。王族兄弟たちとは正反対ですね。

 そういえば初めてでしたね、仲の悪い兄弟を書いたのは。むしろこの間まで別作品で超がつくほどのブラコンたちを書いていたので、その反動だったのかもしれません(^^;)


 そういえばトリアは幽霊なので、基本的にずーっと浮いていたのですが。書きながらそれを想像するのが割と楽しかったです。あと細い目のラウ・バッタールも。

 この辺りは、絵で見ると分かりやすいんでしょうけれど。小説だとそれぞれに想像していただかないといけないので、難しかったですね。



 さて。ここからは恒例の、あとがきを最後までお読みくださった方への設定紹介。

 今回はネタバレあり、結局本編には登場させなかった設定ありの人物詳細になりますので、あとがきからお読みになっている方は先に本編をお読みになる事をお勧めいたします。

 ちなみに個人用の設定資料なので、ほぼほぼ箇条書きです。



 では、どうぞ!





幽霊令嬢:ヴィクトリア・アルージエ


 緩いウェーブのかかった長い金の髪に、珍しい紫の瞳。

 死んでしまったらしい、おそらくは令嬢の幽霊。ドレスや髪型、振舞や口調から第一王子に令嬢だろうと言われただけで、自分の名前も思い出せないくらい一切の記憶がない。

 実は王子の婚約者候補として王都に向かっていた際に、馬車ごと襲われて意識が戻らない辺境伯令嬢。

 鏡に自分の姿が映らないので、後に見せられた絵姿を見てもピンとこなかった。

 名前を付けてくれと何度も訴えた結果、選別という意味のトリアージュからトリアと呼ばれるようになった。

 仲の良い兄がいる。




第一王子:リヒト・ルス・スヴィエート


 透けるような金の髪を肩口まで伸ばしており、瞳は鮮やかな青。

 小さい頃から毒殺されそうになってきたので、割と毒への耐性が出来ている。

 最近婚約者を選べとせっつかれているが、第二王妃と第二王子を何とかしない限り選んだ令嬢が狙われるだけだからと、先延ばしにしている。

 身内に最大の敵がいることと、国の腐敗が進んでいることに常に頭を悩ませている。

 自分にしか見えない幽霊に最初は警戒するものの次第に打ち解けて、終いには軽い愚痴まで聞いてもらうようになる。

 幽霊令嬢が来てから、毒を口にすることがなくなった上に証拠が集めやすくなった。

 考え事をする時に、少しだけ首を傾げて顎に手をあてる癖がある。




第二王子:フォンセ・ルス・スヴィエート


 黒に近い茶髪に暗い青の瞳。母親と瓜二つの色合い。

 母たちから、本来はお前が王になるはずだったのにと言われて育ってきたために、第一王子を酷く憎んでいる。

 甘やかされたせいで、子供のような言動を取る。残忍さすら子供のまま。

 考えることは得意ではないので、勉強は一切できない。その点からも国王候補としては白い目で見られている。

 実は反王家派に利用されていた。実行犯ではなかったので後に身分を剥奪の上、国外追放。




国王:トワール・ルス・スヴィエート


 鮮やかな金の髪に、グレーに近い青の瞳。

 本来は王位を継ぐはずではなかった元第四王子。

 一番上の兄が事故死したときに、二番目の兄が勘付いて動き始めた。その際手紙を受け取っていたのだが、それを読む前に二番目の兄は毒殺された。

 三番目の兄に関しては、最初から病弱だったのでそのまま病死させられた。

 王位から遠いからと、帝王学とはほぼほぼ無縁で生きてきた。どちらかと言えば絵を描くことが好きな、芸術家肌。

 それでも傀儡にだけはならないようにと、信頼できる数少ない者達に必要な事は教えてもらってきた。

 下手なことをして目をつけられないように、愚かな王を演じてきた。が、実際に細かい事を考えるのは苦手。




第一王妃:リアン・ルス・スヴィエート


 ダークブロンドの髪に、鮮やかな青の瞳。

 元からの国王の婚約者で、実はなかなかの切れ者。

 下手に手を下されないようにと、あえて「殿下から絵を描くことを奪わないで下さい」と愚かな令嬢を演じてみせていた。

 薬のせいで妊娠できなかったが、ようやく子供を授かってからは目を離さないようにしてきた。そのため子供は一人しかいない。




第二王妃:ジェロシーア・ルス・スヴィエート


 黒に近い茶髪に暗い青の瞳。

 国王の兄弟たちを次々と亡き者にしていった首謀者の娘。

 子供が出来ない王妃だけでは困るからと、無理やり側室の座に収まった。

 先に妊娠が発覚したのに、自覚がないだけで数か月も妊娠していた王妃に先を越されたせいで、生まれた子供が第一王子になれなかったことを恨んでいる。

 常に毒殺に失敗している人。

 実は反王家派に親ともども利用されていた。実行犯であることに変わりはないので、後に反逆罪として処刑される。




首謀者:アロガン・アプリストス


 茶の髪と瞳の、でっぷりと太った普通の男。

 ジェロシーアの父。侯爵。




黒幕:ラウ・バッタール


 薄い茶の髪に、濃いグレーの瞳。目が細すぎて、時折どこを見ているのか分からない。

 第二王子派に見せかけた、反王家派。宮中伯。

 第二王子関係の人間は割と騙されやすいので、簡単に思い通りに動いてくれて満足していた。

 実は幽霊令嬢の父親である辺境伯に、王家へ反旗を翻すつもりなのではないかと疑われていた。

 そのため娘を第一王子の婚約者候補として王都へと向かわせて、二人共々葬り去る予定だった。

 結局親子両方に証拠を掴まれ、全ての黒幕として国民の前で処刑された。

 妻がいたが、前国王が命を狙われた際に開いていたパーティーに参加していたせいで、刺客によって両親共々殺されている。

 国王夫妻は守られておきながら、家族のことは守ってはくれなかったという思いから反王家派に。

 ちなみにその時に刺客を送ったのはアロガンなので、同時に破滅させたいと思っていた。




辺境伯:ガナドール・アルージエ


 ウェーブがかった金の髪に、薄いブルーグレーの瞳。

 ヴィクトリアの父。王国最強と呼ばれるアルージエ辺境伯の名を継いでいる。

 王国の剣であり盾でもある。




第一王子の従者:カーマ・ディーナ


 薄い茶色の髪に、少しくすんだ青の瞳。

 唯一まともな従者として残っているが、普段は優秀さを隠すためにぼさぼさな髪と眠そうな顔をしてとぼけている。

 時折わざと第二王子派の前で失態という名のポカをやらかしているので、何も疑われずにリヒトの側に残されている。




侯爵:モートゥ侯爵


 良識ある貴族の一人。本音は第一王子の味方。

 第二王子派と見せかけつつ、敵の情報を収集しているダンディな勇気あるおじ様。

 その言動のせいで、トリアには最初敵だと思われていた。実際には有事の際に自分の屋敷にリヒトを逃がすつもりでいた。






 最後に。

 ☆を下さった11名の方。

 応援コメントを下さった2名の方。

 作品をフォローして下さった34名の方。

 そしてここまで読んで下さった、全ての方に。


 本当に本当に、ありがとうございました!!m(>_<*m))ペコペコッ


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