5 みんな先生のことが大好きだよ

次の日、僕が学校に行くと、1人の席の周りにたくさん人がいた。 

不思議だなと思っていると、颯季がこっちに来て、みんなの方に僕を連れて行った。

「おはよう黒崎君。」

学級委員の女の子に言われ僕も「おはよう」と言った。

あまり喋ったことがなくて、僕は緊張したが、彼女は緊張した様子もなく、冷静ですごいなと思った。「光星、先生の手紙持ってきた?」

と颯季に聞かれ、取り出すと、

「黒崎君、これに貼ってもいい?みんなの渡したいんだけど…」

「えっ。これもしかして自分で作ったの?すごい!」

僕は驚いた。

短時間でこんなにすごい物作れるんだ。

「そんなにたいした物じゃないよ。」

「そんなことないって。はい。手紙。こんな素敵な物に貼ってもらえて嬉しいよ。」

僕が手紙を渡すと、「ありがとう。」と彼女は言った。

そして、僕が最後だったらしく、みんなのを貼り終えたら、表紙に大きく、

「みんな先生のことが大好きだよ。」

とかいていた。

「地図みんな大好きじゃねーし。俺は大大大好きだし。」

誰がそういうと、

「そんな細かいこと気にしない。」

そう言い返されてた。

このやりとりで教室笑い声に響いていた。

「みんな先生のことが大好きだよ。」

この表紙を僕はじっと見ていた。

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