第13話真相

3日後、私はテレビのニュースをみて伯父の言った言葉の意味を知ることになる。



テレビに映るニュースキャスターが淡々とニュースを読み上げる


「先週5歳の息子の殺人容疑で逮捕されました安藤孝雄容疑者ですが、その妻安藤小百合容疑者を殺人および死体遺棄の容疑で本日緊急逮捕しました。両親ともに容疑を全面的に認めているとのことです」


そんなバカな…



そのあと、アパートの管理人や隣人、同級生のインタビューが流れていたが私の耳にはもう言葉は入らない。



この世はなんて残酷なのだろう。


あの二人は新しく生まれる二人の子供のために雄太君に生命保険をかけて殺した。そして、すぐに死んだことを公にしては怪しまれる。


そこで二人は行方不明と偽りアリバイ工作をした。


あの時、早百合が雄太君の遺体に泣きついたのもすべて演技だったのだ。


しかし小百合には二つの誤算があった、孝雄がアリバイ工作に飽きてしまい迂闊な行動をとり始めたこと。


そして伯父に依頼をしたことだ。


名も知れてない探偵だったのでアリバイ工作にはもってこいだったのだろう、しかし伯父には私がいたのだ。そこで二人の作戦は崩れたのだ・・・酷い話だ。本当に・・・



雄太君は真実を知らないで逝ったのだろうか…雄太君の死の直前の記憶はどんなものだったのだろうか。


本当はすべてわかっていて、私にこの二人を裁かせようとしたのだろうか…


しかしもうあの子にそれを聞くことはできない。


私は雄太君を救った気になっていただけだった。そんな自分が恥ずかしくて、悔しくて、みっともなくて、気づいたら私は膝を落として泣きじゃくった。



伯父は黙ってタバコを吸っている。



私の涙は地を濡らすことはない・・・



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

小林由梨の三年間 まなた @13580715

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る