第8話光一の保険

俺は由梨が寝ている?のを確認して外に出た。そして電話をかけた。

コールは鳴るがなかなかでない、現在時間は夜の10時だ。

俺はしつこくコールを鳴らし続けた。

「はい。もしもしなんですか、こんな時間に」

電話の相手の声はあからさまに嫌そうだった。


「よう、久しぶりだな、元気か」


「元気かじゃないですよ、どうしたんですか、こんな時間に。厄介ごとはごめんですよ」

電話の向こうの男はたしか今年30になる神埼という刑事だ。俺が東京にいたときにある事件がきっかけからの付き合いだ。


「ちょっと調べてほしいことがあってよ」


「なんですか?内部情報なんて教えませんよ」

刑事は先手を打とうとしてきた。


「まあ最後まできけよ。実はこっちで行方不明事件がおきててよ。1週間前に」


「行方不明?捜索願いはでてるんですか?」


「ああ。5歳の子供でな。毎日両親が探しているよ」


「で、小林さんにも依頼がきたと」


「そうだ。でもなんともきな臭い感じでよ。こっちの警察が今どういう風に動いているか教えてくれないか」


「いやそんなの直接聞いてくださいよ」


「んなこと俺に教えてくれるわけねーだろ、だから神埼ちゃんに頼んでんじゃねえか」

俺は勢いでまくしたてる。


電話ごしからふうとため息が聞こえた

「そちらの県警に知り合いがいますので明日聞いてみますよ。それでいいですか?でもきな臭いってどういうことですか。誘拐とか?」


「さすが神崎ちゃんなるべく早めに連絡くれよ」

俺は質問を無視して電話を切った。


「ちょっ」



誘拐ではないだろう。誘拐だったらとっくに身代金だの連絡があるはずだろう。

話しは早いんだけどあいつはやっぱりセンスがないな。俺はタバコを吸って空を見上げた。

さてどうなることやら・・・・

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