二歳新馬戦~ホープフルS
プロローグ 新星現る。
「こいつすげぇ~!!」
「何だこいつ!?ここを務めて20年くらいだけど多分ぶっちぎりで成績いいんじゃねぇか!?」
そんな、雑音が多く響き渡る。はぁ、休憩しよ。あっ、俺は鏑矢颯だ。よろしく。
はぁ、この学校でもう3年目か・・・早いな~。みんなどうしてるだろうなぁ~??
「ふふっ、やっぱ君はそこにいたか。」
「あっ、先輩?」
「いや、片倉でいいよ。」
「そうですか、分かりました。それじゃあ、片倉さんどうして此処に?」
「まぁ、何となくかな?君の場合、僕以上の素質を持っている。しかし、その裏にはとても繊細な心がある。」
「っ!!」
なんで、そんなことがその一瞬で分かったんだ?
「どうして分かった!?・・・みたいな顔してるね。鏑木くんメッチャ顔に出るよね。今、凄い疲れてるって顔してるよ?」
凄いな、片倉さんは。生きる伝説と呼ばれるまである。俺に話しかけてくれた片倉さんこと片倉海かたくらかいさんは、この競馬学校を現時点で成績トップで卒業を遂げて現40代後半ながらリーディングトップを走り続けるレジェンド騎手である。
「君はやっぱり感受性が高い。」
「・・・はい?何を急に。」
「多分、君は僕よりも早くに相棒に出会えると思うよ。多分・・・2年後。」
「2年。」
「うん、2年。僕は運よく1年で会えたよ。スープクラークに。」
片倉さんはしんみりと話しながら過去の話をぽつり・・・ポツリと話していった。
・・・回想終了。
「妙に生々しい夢だな。・・・ターフにいるからなのかな?」
この話を聞いて2年、俺は成人し片倉さんがデビューした際の新人最多勝記録である69勝を超え、73勝をとり、新人最多勝記録を取得した。そして、片倉さんよりも早く重賞である神戸新聞杯を勝ち取りG1レースである菊花賞に騎乗するが結果は6着と着外となった。
そして、今年、現段階で俺は2つ目の重賞である日経新春杯を獲り、そこから着実に勝ち星を重ねていき現在は少し日差しが強く成り始めてきた。
「ふぅ~。新馬戦か。久しぶりだな~乗るの。・・・今回は、葦毛の馬体なんだ。名前は・・・プラチナヴェッセル。はぇ~。珍しいな。ステマ配合・・・まさか・・・」
この時、頭の中には今、競馬界で起きている状況を考えていた。
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