第二十三章 綿ぼこりのクリスマス③

第1話 綿ぼこりの成長

 ど、どう言うことなのでしょう!?


 沙羅さらちゃんが……沙羅ちゃんが!?


 光に包まれてしまい、まぶしくて何が起きているのか全然良く見えません!!



「説明しよう!!」



 とここで、颯太ふうた君が声を上げましたのでそちらを見れば……いつ用意したのか、サングラスをかけていました。


 賢也けんや君の方は、まぶしくてまだ何も見えないようです。



「颯太君?」


「沙羅は今ね? 成長しようとしているんだよ」


「え!?」



 どう言う仕組みやきっかけかわかりませんが……沙羅ちゃんが大きくなるのは間違いないようです!?


 僕はもう一度、沙羅ちゃんの方を見ますと……慣れてきた目に、白い影がどんどん形を変えていくのがわかりました。


 赤ちゃんの大きさから……少しずつ、少しずつですが。


 確実に、大きくなっていきます!!


 どこまで、大きくなるのでしょうか?


 しばらく、待つしか出来ないので……大人しく待っていますと、光が消えていきました。


 ただ、ひとつ問題が!?


 大きくなった沙羅ちゃんは、仕方がないのですが!?


 赤ちゃんから、中学生くらいの年齢まで大きくなった沙羅ちゃんは……真っ裸でした!?


 女性の身体を見るのは、だいぶご無沙汰でしたので……急いで自分が着ていたカーディガンを被せましたが。


 逆効果で、異常な背徳感を感じる要素でしかありません!!



「あははは! 思ったよりは大きくならなかったね?」



 颯太君はサングラスを外すと、閉じた扇子を沙羅ちゃんの前で振り……沙羅ちゃんの服装が、僕のカーディガンを羽織ってはいますが、浴衣姿には変化しました。


 賢也君も見ることが出来るようになったので、手を外しましたが。



「……沙羅、か?」


「……沙羅ちゃん、ですよね?」



 けど、やはり……少しばかりは信じられないので僕らが彼女に問いかけると。


 ぼーっとしていた沙羅ちゃんの表情が、赤ちゃんの時のように、ふにゃんと柔らかくなりました!?



「うん! 主! 賢也!!」



 可愛いらしい声で、僕らを呼んでくださいました!?


 そして沙羅ちゃんは、隣にいた僕のお腹あたりに……ぎゅっと抱きついてきたんです!?



「さ……沙羅、ちゃん?」


「大きくなれた! 主くらいにはなりたかったけど、大きくなれたよ!!」


「……あの、主って僕ですか?」


「そうだよ?」



 くりんと顔を上げる仕草が……可愛過ぎますよ!?


 なんと言う美少女なんでしょう!?


 柔らかく、肩くらいまで伸びた茶髪。


 白くて、触り心地が良さそうな肌。


 大きな瞳に長いまつ毛。


 ピンク色のふっくらした唇。


 つい……ドキドキしてしまいます!!


 僕……ロリコンのはずではありませんのに!!?

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