第二十二章 綿ぼこりのクリスマス②
第1話 パーティー開始前
クリスマスイブ当日。
身内だけのクリスマスパーティー当日です!
仕事はお休み、しかし
僕提案のクリスマスパーティーを開催するからです!!
営業はしないので働いてはいませんが……パーティー用のご飯を仕上げていますよ!!
ご馳走は出来たてが美味しいですから!!
「ジングルベール、ジングルベール!」
「あうあう、あうー!」
つい歌ってしまいましたが、
沙羅ちゃんもおめかしとう言うことで、今日はもこもこフリースのクリスマスワンピにお着替えしています。サンタ帽子とかがとってもキュートですよ!
「沙羅ちゃん用にも、ちゃーんとご飯はご用意していますよ?」
「う!」
と言いましても、沙羅ちゃんにはいつも通りのご飯……コーヒー、豆カス以外は小豆料理です。
ちょっとお腹が空いているようだったので、コーヒーのカップにお代わりは追加しましたとも。
(いや〜、楽しみです)
提案した本人ですが。
三十を過ぎているのに、単純にお休みを取るよりも誰かと過ごしたいと言うのは……少々恥ずかしかったです。
しかし!
承諾してくださったのですから!
期待に応えられるように……料理の準備は抜かりはありません!
仕上げも適度に頑張り……などとしていたら、あっという間にパーティー開始時間が迫ってきました。
「ヤッホー! 来たよー!!」
「こっちも色々買ってきたで〜」
ちょうどその時は、店内にご馳走のいい匂いが充満していました……。
当然おふたりも目を輝かせてくださいました。
「いい匂い〜!」
「チキンとシャンメリーは、リク通り買ってきたでー」
「ありがとうございます」
ケーキはともかく、自宅のオーブンや油鍋でフライドチキンを作るのは素人には至難の業ですからね?
ここは大手チェーン店に頼った方が得策ですとも!
「あーう、あう!」
「おやまあ、沙羅……可愛くしてもらっちゃって〜」
「うーうー!」
颯太君は沙羅ちゃんを見ると、服装を真っ先に褒めてくださいました。
「ちびサンタか。プレゼント貰う側やけど」
「サンタクロースねぇ? 本物はいるんだよねー?」
「…………マジで?」
「あやかしじゃなくて、神の使徒に近いけど。いるよ、本物」
「……いるんですか」
おとぎ話云々だと思っていたんですが。
妖怪さんである颯太君達のこともありますし……実在しているとなると妙に納得出来ました。
「ま、今日明日は無茶苦茶忙しいだろうから! 会えたらいいねってことで」
颯太君は匂いに耐えられないのか、交換タイム用に用意してくださった……プレゼントらしき風呂敷の包みをカウンターに置きましたが。
どすんと言う音は、何でしょうか?
それはとりあえず……後の交換会のお楽しみとなり、一旦カウンター脇に置くことになりましたが。
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