第3話 クリスマスの過ごし方について

 クリスマスは恋人もだけど、家族と一緒に過ごす。


 これは日本よりも、本場海外の方では当たり前の過ごし方です。


 オーナー命令となった、クリスマスは沙羅さらちゃんと一緒に過ごすと言うことですが。


 僕は……今まで、クリスマスはどうしていたか振り返ってみました。


 両親と、姉を亡くした後です。


 鬱を患い、賢也けんや君に移住を勧められる前は……ただただ、時間が過ぎるのを待っていただけでした。


 約十年の月日を……ただただ、時間の流れるがまま。


 イベントなど……特に何も気にせず。


 ぽっかりと空いた穴を埋めるものは、何もありませんでした。


 その穴を埋めようと救ってくれたのは、賢也君です。


 そして、今の日々に潤いをくださったのは……沙羅ちゃんです。


 クリスマスも間近に迫った……ある日も、僕はいつも通りに起きて、自分と沙羅ちゃんのご飯を用意していました。



「……よく降りますねぇ」



 その日も、カーテンを開ければ……窓の向こうは雪でした。


 少しだけ雪が降れば、子供なら喜んでいた愛知の気候とは全然違います。山おろしの風が強いのはありましたが……あちらでは夏はしんどい気候の代わりに、こちらでは冬が凄いです。


 一度降ると、次もまたと言わんばかりに……雪が降るのです。


 笹木さんはいませんが、今日も早めにお店に行って雪かきせねば。


 沙羅ちゃんは、室内でぽかぽかしていただきませんと。



「……では! 今日も気合いを入れて!」



 お腹を満たすのに、きちんと腹ごしらえをせねば!!


 個人的にガッツリ食べたい気分でしたので……冷凍食品の海老カツと、千切りキャベツなどの野菜を使い。僕ら特製、海老カツデラックスサンドイッチを作りました!!


 海老カツ以外にも、野菜をたっぷり使うので『デラックス』なのです!!


 沙羅ちゃんには、朝用のモカブレンドを淹れたコーヒーに豆カスです。朝ご飯には、小豆よりもこれがお好みのようなので。


 出来上がった頃には、沙羅ちゃんも起きてくださるので……テーブルにセッティングしていると『あー』と声が聞こえてきました。



「おはようございます、沙羅ちゃん」


「うー!」



 目をぱっちり開けてくださってから、僕に抱っこをおねだりしてきました。


 それに異論はありませんので、僕はすぐに抱っこしますとも!!



「今日も一日頑張りましょう!」


「あー!」



 そう言えば、クリスマス当日。


 おやすみとなったのならば……ささやかですが、クリスマスパーティーをするのもいいかもしれません。


 賢也君は翌日が本番ですし……可能であれば、颯太ふうた君もいらして欲しいです。


 その願いは……賢也サンタクロースは叶えてくださるでしょうか?

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