第2話『ふんわりマシュマロココア』
「ありがとうな〜、
早朝からの、雪かきなのですが。
「いえいえ〜、お安いご用ですよ!」
どうやって、ささっと終わったかと言いますと。
他に人影がなかったので、笹木さんが術と言うもので……さーっと雪を退けてくださったのです。歩道も綺麗に消えたのですが、カモフラージュも兼ねて融雪剤は撒きましたが。
「本当にありがとうございます。すぐにマシュマロココア、ご用意致しますね?」
「いえいえ、お構いなく。あ、でも……テイクアウトでお願いしていいですか?」
「かしこまりました」
ホットココアは、砂糖と無糖ココアを小鍋で練るところから始まり。
牛乳を入れ、なめらかにするのに一度漉したりした後に……小粒のマシュマロをたっぷりと。
僕と賢也君はマグカップ、笹木さんにはご要望通りにテイクアウト用の紙のカップとフタをつけてお渡ししました。
「はぁ〜……あったかーい」
雪女さんでも、人間に化けているからか寒さには堪えるようで。
ココアを受け取ると、笹木さんはふにゃんとした笑顔になられました。
「なんや、乃絵ちゃんもう出勤か?」
「クリスマスシーズンは、搬入の手伝いがあるんですよ」
「雑誌の編集者さんもですか?」
「細かいセッティングだけですけどね?」
僕も一応社会人ですが、のんびり気ままに営業していますので……激務とは程遠いですからね?
賢也君は、オーナー業務以外色々幅広く活動していますが。
「……クリスマスなあ」
あ、このトーンは僕でもわかりますよ?
当日は……笹木さんとデートしたいんですね?
けど、この様子ですと……笹木さんの方が忙しくて、出来ない可能性が強いのでしょう。
笹木さんも、賢也君を見て苦笑いされていらっしゃいます。
「……すみません。当日、かなり遅くなってしまうので」
「……日付変わるん?」
「思いっきり……」
との言葉に、賢也君は思いっきり落ち込む姿勢になっちゃいました……。
「か、代わりに! 翌日は一日オフなので!」
「ほんまか!?」
オンとオフが激しいですね、賢也君。
そのやりとりも、僕はほっこりします。
「僕は僕できちんと営業していますので、おふたりはどうぞごゆっくり」
「「え!?」」
「え?」
何故そこで、お二人とも驚かれるんでしょうか?
僕が首を傾げると……賢也君には、バシッと肩を叩かれました。
「
「え? だって、クリスマスシーズンですし」
「クリスマスだからこそや!!
「……えぇ?」
と言うことで、年内の営業終了日は別ですが……クリスマス当日は、双樹がお休みになっちゃいました。
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