第3話『決意のカフェラテ』

 そして、今度こそお仕事のために帰っていかれた笹木さんを見送り。


 僕らは僕らで……賢也けんや君の情報整理をすることにしました。



「えー、まず第一に」



 お客さんも今のところ来ませんので、僕は颯太ふうた君と一緒に……カウンターで突っ伏している賢也君を見下ろしました。僕は僕で、休憩用のカフェラテを人数分淹れていますが。



「うんうん! お互い両想いなのは確定!」



 颯太君が断言すると、賢也君の体が人形のようにビクビク動き出しました。見ていて面白いですが、今の言葉で余計に意識は混乱されているでしょう。



「ちょっとだけ壁はありますが……良かったじゃないですか、賢也君」


「ほんと。猫人の大将のこともあるし……大丈夫大丈夫。人間をいつかは辞めるだけで、基本的に同じ生活出来るから!!」


「……契り、でしたっけ?」


「ぶっちゃけて言うと、(ピー!)だけど!」



 中学生くらいの見た目の颯太君が言うと、ちょっと犯罪ぽくなりますが……颯太君は僕らより遥かに年上ですので、ツッコミを入れませんでした。


 賢也君は頭を抱えてしまいましたが。



「お、おおお、俺が……笹木、さんと!?」


「お友達からって、ほとんどカレカノじゃん? 乃絵のえはあの様子だとぐいぐい行く感じだし……あやかしだからって、賢也君引いた?」


「…………混乱はしとる、けど。引いてはおらん」



 その言葉に、僕と颯太君は手を叩きました。


 バギーに乗っていた沙羅さらちゃんも『あうあう』と頷くように言っていましたよ?



「じゃ、次は〜? 賢也君からデートに誘ったら?」


「で、デート!?」


「ほとんど両想いなんだから、お友達でもデートでしょ?」


「ですね!」



 賢也君と笹木さんが並べば美男美女カップルですよ!!


 とってもお似合いだと僕は思います!!


 カフェラテが出来たので、今日はシナモンではなくココアパウダーを振りかけて、ひと息吐くのに三人で飲みました。



「「「は〜〜……」」」



 寒さがピークになりそうなこの時期、あったかい飲み物は正義ですね!!


 ふわふわのスチームミルクにまろやかになったコーヒーの味わい。


 しょっちゅう飲むと、体脂肪云々が気になりますが……たまには飲みたくなります。沙羅ちゃんは小豆ともち米以外まだ食事は増えませんが。



「じゃ、話戻すけど……雪で観光が酷くなる前に、ドライブデートとかでもしたら?」


「……いきなり、かい」


「賢也君は車持ってますからね?」



 僕は病気の事もあり……免許更新するだけのペーパードライバーですが。


 賢也君は少し悩んでいましたが、残ったカフェラテをぐいっと煽ると……カウンターから立ち上がりました。



「……よっしゃ! ええとこ見せるのに、洗車してくるわ!!」


「おー、その意気!!」


「頑張ってください!」



 親友の恋路は、僕は全力で応援しますとも!!

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