第4話 大事な親友
「おやおや?」
「な、なんなん!? 猫立っとる!? でか!? また妖怪なんか!!?」
おそらく、僕が火坑さんに驚いたとき以上に。
「お初にお目にかかります。名古屋から参りました、猫があやかしの一角。火坑と申しまして、本日はぬらりひょんの総大将からのお願いもあり、妻と共にこちらにお邪魔させていただいています」
「お……お、おお。ご、御丁寧に。ここのオーナーしてます……
「おや、オーナーさんでしたか? これはこれは」
と、お辞儀合戦のようになってしまい……ゲラゲラ笑った颯太君が止めに入りました。
「ははは! 面白いねぇ? 大将、賢也君は悪い子じゃないよ?
「はい! 僕の親友ですよ!」
「し、柊司……!!」
感動されたのか、賢也君はほろりと涙を浮かべちゃいましたが。
とりあえず……火坑さんご夫妻がここにいらしてくださった事情説明をしましたとも。
「沙羅さんの手助けになれば……と、こちらのお店を勧めてくださったこともありましたが、
「ほーん? んで、颯太はなんで?」
「美味しい小豆料理の予感したから!!」
「自分都合か!?」
まあ、颯太君と賢也君のやり取りはこれまで通りなので……ここはスルーです。
「ですが。火坑さんのお陰で……沙羅ちゃんがもち米もきちんと口に出来るとわかりました! 本当にありがとうございます!!」
「お役に立てて何よりです。柊司さんのコーヒーも素晴らしいものだからですよ。そうでなければ、沙羅さんはこのように……ケサランパサランでも独立した存在にはなりませんでしたから」
「おしろい与えれば、増えるってあれか?」
「ええ、そうです。僕にも少し苦い思い出がありまして」
ふ、と猫顔なのに苦笑いされる表情もかっこいいとは……妖怪さんは凄い存在ですね?
「ケサランパサランは普通集合体だからね? 沙羅が異例中の異例だもん」
「……そうなん?」
「そう言うものなのですか?」
僕らが感心している間……沙羅ちゃんは、僕が新しく淹れたモカブレンドの新しいブラックコーヒーをストローでちゅーちゅーと飲んでいました。
そして……火坑さんご夫婦は、火坑さんが『
賢也君は、響也さんのかっこよさにびっくりしてカウンターから転げ落ちましたが。
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