第2話 妖怪の共存
ぬらりひょんの
「すっごく、おいひー!」
「う、うー!!」
一方、
「……食い過ぎや」
「えー? だって、美味しいもんー」
「あ、あ!」
「沙羅も美味しいよね〜?」
「うー!」
仲良きことは美しきかな……ですね?
僕は沙羅ちゃん用に、モカブレンドのコーヒーを用意していましたので……ゆっくりと丁寧にドリップしていましたとも。
「小豆なあ?
「お粥ですか?」
今回はあえて甘いものをメインにしていましたので、塩っぱいものは考えていませんでしたね?
「お粥〜? あれも好きー」
「お前には聞いとらん」
「けど、僕の好きなものは大抵沙羅も好きじゃない?」
「……そうやけど」
「少し調べますねー?」
スマホで軽く検索をかけてみると……色々作り方がありました。圧力鍋から炊飯器まで。
せっかく、颯太君もいることですし……時短で炊飯器を使って作ることにしました。
「今の世はいいね〜? なんでも機械で色々手間を省けるし」
颯太君は、コーヒーで少し舌が疲れたそうなのでほうじ茶を淹れました。
「あの祭りでも、妖怪とかは人間と変わらんもん使ってたやろ?」
「そりゃ、あやかしだって色々変わるよ? 現世で使えるモノを扱えるようにもならなきゃ……生きてはいけない」
「「生きていけない?」」
「糧は色々あるけど……時代に溶け込めなくなるんだよ」
そう口にされた、颯太君の表情はどこか寂しそうに見えました。
「……お前もか?」
「まあね? 家妖怪とか言われてた、座敷童子も年々こちらでの居場所がなくなってきている。だから……あやかし同士共存する機会を増やした。僕とか沙羅のケサランパサランがそのひとつだったんだよ」
「う?」
沙羅ちゃんは、モカブレンドのコーヒーを飲み終えたところでしたが……颯太君の言葉の意味がわからないのか、首を傾げるだけでした。
少しの間、僕らの空気が静かになりましたが……すぐに、早炊きモードにセットしていた炊飯器のお粥が炊けるアラーム音が室内に響きました。
「僕、盛り付けてきますね?」
「うん」
「おー……」
「あう!」
出来上がった小豆のお粥は、パッと見た感じ薄く小豆色に染まった雑穀のお粥でして。
レシピには、仕上げにたたいた梅を載せるそうですが……僕と
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます