第3話

今日のメニューは、鹿肉のシチューとパンだ。

ジャックさんのご飯は、とても美味しい。

鹿肉を初めて食べた真由美はびっくりした。


真由美は、ジャックに

「ジャックさん!この国について教えてくれませんか?」

と聞いた



そして、ジャックさんはご飯を食べながらこの世界のことを教えてもらった。



この世界には、5ヶ国ある。

人間が統治する国バーデン帝国

獣人が統治する国バロン大国

エルフが統治する国シルフィー王国

ドワーフが統治する国スレゴニア大国

そして

ここバレニヤ王国は、人間族の王様が統治している。

比較的人種差別もなく、色々な種族の人が生活している。

今は、とても平和である。

約300年前にこの国ができたと言われている

まだ世界がひとつの国だった時、種族同士の戦争があった。

人間主義、獣人主義、エルフ主義、ドワーフ主義の戦争が起きたのだ

当時の王様は、急に死去して、王宮の中では、後継者問題が勃発していた。

この隙を狙って、種族の戦争をした。

そして、すぐにこの国は、種族問題の戦争で滅びた。

本格的に戦争が起きたのだ。

この戦争で、色々な種族の人が犠牲になった。

そこに、突然不思議な服を着た迷い人が来た。

この戦争を見た迷い人は圧倒的なコミユニケーション能力でそれぞれの種族の人達を圧倒させ、それぞれに国を持たせ戦争を終わらせようと、それぞれの種族の大将の所に行って、種族ごとに国を持たせると約束した。

しかし、中には、人種差別をしない人中枢派の人ががいた。その人たちのため、迷い人が王様となり人種差別をしない国を作り今の5カ国の国になったという。

そして、迷い人の言う通り領土は、平等に分け与えられ戦争は、終結して、今の国があると言われている。

そして、今の王様は、迷い人の末裔である。





「だから王都に行けば迷い人の資料などがあるんですね!」



「そうだなー。初代王様が迷い人だったからな。もしかしたら真由美以外にも迷い人がいるかもしれないな!」


真由美は、少しほっとした。

この国に迷い人がいるかもしれないということがわかったこと、この国を作った人が迷い人だったことをしれたからだ。



ご飯も食べ終わって片付けを手伝っていたら

「真由美は、シャワーに入っていいよ」

とジャックが言った。



「でも、ご飯まで作ってもらったのに片付けはさすがにしないと・・・」



「いいんだ。今日はいろいろあって疲れてると思うから休みな」

ジャックは真由美の頭を撫でながら優しく言った。



真由美は、

「わ、わかりました。」

と恥ずかしながら答えた。

真由美は、ジャックは私のことをまだ子供だと思っているかもしれないと思った。

この国の成人は、日本と同じで18歳から成人となる。

でも、まだ真由美は未成年だ。

なので真由美は、すこし悔しい思いをした。




「タオルは、脱衣場の棚の中にあるから。それと今は真由美の着替えがないから俺のを来てくれ。後で脱衣場に持ってくから。」

と言った。



真由美は、脱衣場に行ってシャワーに入った。

この国は、日本と一緒で、水道も整備されているなと感じた。シャワー室は、見た事のあるものばかりだった。



シャワーヘッドも同じ、シャンプーのボトルも同じ。

この国の初代王様も私と同じ時代の人なのかと思った。


シャワーを浴び終わると、脱衣場にジャックの服があった。


ジャックは身長が高いので、シャツは、ブカブカで太ももぐらいまであるし、ズボンはすぐ落ちてきてしまう。

私は、諦めてズボンを履くのをやめた。



「ジャックさんシャワーありがとございます。そして着替えも貸してくれてありがとございます。」



ジャックは、顔を赤くして

「ズ、ズボンはどうした?」

と聞いた。


真由美は

「ズボンは、大きすぎてすぐ落ちてくるので、履くの諦めました。」

と言った。



ジャックは、手を顔に当てて

「はーぁ・・・」

とため息をついていた。


「大きいけどちゃんとズボンを履きなさい」




真由美は

「はーい」

と言ってズボンを履いた。


その時ジャックは後ろを向いていた。

尻尾は、ブンブン揺れていて、真由美は可愛いと思った。



「履いたかー?」


「はい!履きましたよ!」


「じゃあ。今日はもうおやすみ。明日は、街まで行って服など必要なものを買いに行こ!詳しい話も明日な。」


「はい!ではおやすみなさい!」



真由美は、部屋に行った。

ベッドに腰をかけて

「そういえば、まだジャックさんがどういう人なのか聞いてない。歳だって知らないし・・・。ま!明日聞けばいいか!」


真由美はベッドの中に入っていろいろなことを考えた。

これが夢ではないか。

もしかしたら明日元の世界に帰ってるのではないか。

りこやあきは、どうしているか。

そしてお父さん、お母さんは、どうしているか。

心配になってしまった。


真由美は、涙が出てきた。

枕に目を擦らせて。泣いた。


泣き疲れたのか

そのうち真由美は寝てしまった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る