年月過ぎて


年月過ぎて

過ぎてく人を駅のホームから見送って

最終過ぎたホームでただ一人

底冷えする夜に震えていた


「分かってくれねえ」と叫んでも

分かってくれる人は居ない

分かってくれた人が見捨てるほど

僕と言う僕は人を失くしていた


そういう今日をずっと過ごしていた

この夜が明けることは無いと信じてやまなかった

痛む心はそうせざる得なかった自分への言い訳か

それとも傷付けた人への悔恨か


それからいくらか時間は経った

相変わらず過去に生きる僕は変わらない

でもいつの間にか来ていた始発に乗って

来ないはずの朝焼けを車窓から眺めていた


過去のそれぞれを悔やんでも

その過去自体をやり直せる訳じゃない

それならいっそそいつを開き直って

繰り返さない為の糧にしようか


それをどう言われても、もう仕方がない

わいはそういう人間なのだから

誰かの声に左右されるより

これからが大切だと誰かは言うから

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