第8話 初めてのパーティーメンバー
朝、目が覚めると、朝一にログインボーナスを受け取る。これが僕の毎日の日課となっている。
この世界から出られなくなってから、3日目になるので慣れてきたのだろう。
《3日目のログインボーナス》
1万ドリー
夢石×5000P
進化素材 石板・魔像各種×5
レア度4装飾品交換チケット×1枚
経験値大量クエチケットLv1×3枚
エナジードリンク各種3本
今日は、レベリングを兼ねて依頼をクリアしていこうと思い、商店街で買い物を済ませ、僕はギルド会館へと向かった。
_______
ギルド会館にて。
ギルド会館の左側には酒場があり、至る所に机や椅子が並べられている。そこで食事をしたり、パーティやギルドの求人の張り紙を出した人たちが、座って待てるようになっている。
僕はレベル上げをするため、今日のログインボーナスで貰った、『経験値大量クエチケットLv1』を使おうと思う。
流石にレベル3は恥ずかしい……。
掲示板の方へと向かい、ゲームパッドの機能の『実体化』を選択し上へスライドする。実体化した経験値大量クエチケットLv1を取り出す。
初めて実体化したが意外と出来るものだ。
そのチケットを手に握りしめ、『ワープゲート』の上に乗る。
目の前に、《行き先を選んでください》と文字が浮かび上がり、『クエスト』、『イベントクエスト』、『チケットクエスト』などがある。
手前に『チケットクエスト』がくる様にスライドをして、タップする。
チケットクエストの欄の中を確認すると、『強化クエスト』、『素材クエスト』などがある事を確認できた。
僕は経験値クエストを押すと、右上の方に。《このクエストは一人用です。実行するには専用のチケットが必要です。チケットを入れてください》とある。
手にしたチケットを挿入口へ入れる。
暗くなっていた『出発ボタン』が明るくなったので、出発ボタンを押すと……。
光が体を覆う様に包み込み、シュンッ! と、音とともに、僕の体は別の場所へと移動していた。
その場所は、薄いピンク色の空。緑が生い茂った大地が続く。
これが僕にとっての初めての『クエスト』だ。
作業で頭がいっぱいだった僕は今更だけど、クエストの内容を確認する。
『経験値大量クエストLv1 』
目的 ドリームエッグ(小) 5体の討伐
制限時間なし
『ドリームエッグ』は、倒すと経験値が大量に手に入る、ボーナスモンスターだ。
ドリームエッグは大きさによって、貰える経験値が変わる。
今回の(小)は(中)や(大)と比べると、貰える経験値は低いが、他の雑魚敵を倒すよりかは遥かに効率がいい。
出会えたらラッキーなモンスターなのだが、このクエストでは確定で登場し、必ず討伐できるボーナスクエストだ。
少し歩くと5体のドリームエッグが体を左右に揺らしながらこっちを見ている。
罪悪感を感じながらも持っていた剣でドリームエッグに攻撃する。
クエスト用はとても弱く、
5体のドリームエッグを倒し、ドロップアイテムを拾いゲームパッドに収納する。
一分後。
光に覆われると、僕は先程いたギルド会館のワープゲートの前に立っていた。
後二枚あるので、残りもチケットを使用し終わらせる。
合計3回の経験値クエストを終えた、僕のレベルは15となっていた。
これで少しはましになっただろう……。
そんな事を思いながら、どんな依頼があるのか確認をしようと掲示板の方へ向かおうとすると、
「ルナ様……我々、二人でこの依頼は無理です! 強くなりたいというお気持ちは分かりますが、流石に無茶です! せめて、パーティメンバーを募集をしてこれくらいの依頼でないと……」
と、銀色の鎧と銀色の兜を身につけた、若い男性の声。
その男性は左手に持っていた、無茶だと言っていた張り紙を掲示板に戻し、右手に持っていた張り紙を、ルナ様と呼ばれていた女の子に渡す。
無茶だと言われていた、依頼が気になった僕は、チラッと横目で確認する。
グズリグリズリーを倒して!
目的 グズリグリズリーの討伐
条件 本日より3日以内
内容 子どもたちがよく遊んでいる、公園の近くに『グズリグリズリー』が現れました。とても凶暴なモンスターです。安心して子どもたちが外で遊べないので、早めの討伐をお願いします。
報酬 スキルの書『
5000ドリー
グズリグリズリーは、エタニティドリームワールドの初心者キラーと呼ばれるモンスターだ。
グズリグリズリーは藍色の毛を纏っている、熊型のモンスターだ。
高さは現実の熊とさほど変わらないが、横の体格が少し大きい。
強靭な爪と牙を持ち、足もそこそこ速い。半端な攻撃では怯むまないだろう。
初心者にとって、最初の壁となるモンスターなのだ。
そしてこの依頼の報酬は、スキルの書「
なかなか優秀なアクティブスキルなので是非とも欲しい。
その依頼の内容を見た僕は、つい口走ってしまった。
「グズリグリズリーか……パーティメンバーのレベルによるけど、やり方次第では倒せるかも……?』
それを聞いた女の子に声を掛けられる。
「本当ですか! どの様な方策があるのでしょうか? 是非ご教示下さいませ!」
「そうですね、囮の前衛一人か二人、遠距離攻撃が出来る人が二人いたら、いけるかと……」
「なるほど! まずは、パーティメンバーの募集……ですね!」
女の子は嬉しそうに答える。
なんでこの依頼に拘るのだろうか? と、疑問に思っていると、男性が。
「パーティメンバーの募集といっても、我々の戦力では、パーティを組んでくれるとは思いません。それに、小さいユナ様もいらっしゃいます! 流石にリスクが高すぎます」
「募集してみないと分かりません! ユナはわたくしが命にかえても護ります!」
言いながらくるりと、体を僕の方に向け。
「どなたかは存じ上げませんが、わたくしたちに、お力添えいただきたく存じます。この依頼が成功した暁には、謝礼も用意させて頂きます」
女の子は頭を深々と下げる。
「いやいや、そこまでしなくても……僕は、依頼報酬の、反撃が欲しいだけですから。僕もどこかのパーティに入れてもらおうと思ってたので、お互い様ですよ。僕はトワと言います。よろしくお願いします」
すると、女の子はスカートの端を軽く摘み。
「わたくしは、ルナと申します。レベルは15で、クレリックを生業としております。魔法も初級魔法でしたら使用できます。どうか、お見知り置きを……。そして、こっちにいる子がわたくしの妹のユナです。ほら、ユナ。ご挨拶を」
男性の裏に隠れていた、小さな女の子が、ヒョコっと顔だけを出して。
「ユナです。よろしくお願いします……」
と、だけ言い、また隠れてしまった。
ルナさんは、髪の毛の色は黒に近い藍色をしており、髪と同色の、引き込まれそうになる綺麗な、瞳をしている美少女だ。
頭には、月の形をしたヘアクリップ。胸には月の形のペンダントを付けている。
白色のフリルのトップスに、膝くらいまでの紫と黄色のフリルスカートを着ており、とても可愛らしいファッションだ。
落ち着いた態度、仕草といい、どこかのお姫様みたいだ。
年は僕より少し上な気がする。身長も僕より少しだけ高い。本当に少しだけ……。
ユナちゃんはあんまり見えなかったけど、目が少しおっとりしている茶髪の女の子だ。
年はコロンちゃんと同い年くらいだろうか。
続いて男性が自己紹介をする。
「自分は、ルナ様とユナ様の、護衛をさせて頂いております。グーファーと申します! レベルは18で、職業はナイトです。何かのご縁だと思いますので、どうかよろしくお願いします」
「こちらこそです! 始めたての新人ですので、足を引っ張ると思いますが、精一杯頑張らせて頂きます!」
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