第2話

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「なるほどな、それでここにたどり着いたってわけか」「はい、本当に助かりましたよ」

男はどうやら自衛隊員らしく、俺を助けてくれた張本人であった。しかしなぜこんなところに一人でいるんだろうか。

「いや実はな、俺だけじゃないんだよ。他にも仲間がいるんだが今はちょっと別行動してるんだ」なんとそんな事情があったとは。でも確かにこんな場所に自衛隊員がたった一人というのは不自然すぎるだろう。

「ところであなたは何者なんです?」

そう聞くと彼は少し困ったような顔をした。

「うーん、俺はなんて言えばいいかな……」しばらく考え込んだ後ようやく口を開いた。

「俺の名前は……『ブラック』だ」……え? 今何て言った? 俺は耳を疑ったが間違いない、こいつはそう名乗ったのだ。

ブラック、だと!? まさか……いや、そうとしか考えられない。だってあいつらはみんな黒づくめなのだから。しかもこいつはかなり若そうだし。それにしても……

「あのぉ~ブラックさんですか? 失礼ですけど年齢はおいくつで?」「うん? 俺か? 俺は確か……21歳だったはずだぞ」

やはりそうだったのか……。ということはこいつが『勇者様』ということになるのだろう。

しかしこの若さで勇者様になるなんて相当な実力の持ち主ということに違いない。

それならさっきの攻撃も納得がいく。きっと強力な魔法を使って敵をなぎ倒したのだろう。

そう思っているとブラックは続けてこう聞いてきた。

「それよりもお前こそ誰なんだ? 見たところ一般人みたいだけどどうしてあんなところにいたんだ?」

当然聞かれるとは思っていたがどう答えればいいものか。とりあえず俺は嘘をつくことにした。

「じ、実はですね、私はその……ただの通りすがりでして。たまたま通りかかったら何やら変な音がしたので気になって覗いてみたんですよ。そうしたら車が止まっていて、その近くに誰かが倒れているようだったので助けようと近づいたら急に車が動き出して追いかけようとしたのですが間に合わず、仕方なくその場を離れようとしていた時に運よくあなたの攻撃を見かけて急いでここにやってきた次第です。

あ、もちろんこのことは誰にも言いませんからご安心くださいね!」我ながらなかなかうまく言えた気がする。これならば疑われずに済むだろう。

しかし彼はあまり納得していない様子だった。

「うーん、本当か? まあいいか、どちらにしても助かったことには変わりないしな。それより怪我をしているじゃないか、手当をしてやるからちょっと待ってろ」そういうと懐から何かを取り出した。

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オートマ・オブ・ザ・デッド ニート @pointinline

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